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一般質問の内容③「がん患者・がん体験者・家族支援」について

前回に引き続き、今回は「がん患者・がん体験者・家族支援について」行った一般質問をご紹介します。

がんはすでに我々にとって身近な病気です。
がんを予防することから始まり、がんに関わる正しい知識を学び、健康の保持増進を図ることが必要です。

今までのがん医療の考え方では、がんを治すということに関心が向けられていました。しかし、その後どのように生活をしていくのかという療養生活の質もがんを治すことと同じように大切です。がん患者やがん体験者が尊厳を維持しながら「その人らしさ、自分らしさ」を大切にして安心して暮らすことができる社会を構築することが今、求められています。

治療が終わっても、後遺症や副作用を我慢して生活する人や再発の不安、死への考え方など精神的な苦痛を一人で抱えている人は少なくありません。いつも体の不調を抱えていなければならないことは、大変苦しいことでもあります。

医療のみならず日々の暮らしの中で、その後の人生を豊かに過ごし、がん患者、がん体験者、そしてそのご家族が必要と考える支援を私はこの足立区で強力に構築していきたいと思います。足立区においても先進的に整備を進めている港区の状況を研究しながら、予防、早期発見、地域がん医療の充実及び、がん患者・家族への支援の構築に向けて、私は全力を期していきたいと思います。


以下、代表質問の内容と、その答弁です。

*****以下、議事録の抜粋(要旨)*****


3.がん患者・がん体験者・家族支援について

<長谷川たかこ>
がん支援について、質問・提案を致します。

日本では、一年間に約100万人が新たにがんになると推定される時代です。 都内のがん患者数は30年間で2倍に増加しています。政府はがん対策基本法に基づき、がん対策推進基本計画を策定し、がん医療、がん予防、早期発見等にかかわる各種対策を推進しています。病院ではがん治療後のセルフケアについてまでは教えてくれないため、がん患者は増えているけれども、医療では追いつかない課題が山積しています。

がん患者、がん体験者は、病院を離れてからが本当の闘いです。

治療が終わっても、後遺症や副作用を我慢して生活する人や再発の不安、死への考え方など精神的な苦痛にも一人で抱えている人は少なくありません。いつも体の不調を抱えていなければならないことは、大変苦しいことでもあります。今までのがん医療の考え方では、がんを治すということに関心が向けられていました。しかし、その後どのように生活をしていくのかという療養生活の質もがんを治すことと同じように大切です。がん患者やがん体験者が尊厳を維持しながら「その人らしさ、自分らしさ」を大切にして安心して暮らすことができる社会を構築することが今、求められています。

医療のみならず日々の暮らしの中で、その後の人生を豊かに過ごし、がん患者、がん体験者、そしてそのご家族が必要と考える支援を私はこの足立区で強力に構築していきたいと思います。

【問】足立区においては23区の中でも、がん患者、がん体験者、そしてそのご家族に対する支援がとても乏しいのが現状です。がん患者やがん体験者の皆さんやそのご家族が住みなれた地域で質の高い生活を送ることができるよう、手厚い支援施策を早急に構築して頂きたいと思いますが、区の見解を伺います。

現在、港区では総合的ながん対策を推進するため、平成27年7月に「港区がん対策推進アクションプラン検討委員会」を発足し検討を重ね、5年間の事業計画を策定しています。アクションプランでは、がんによる死亡者の減少とがんにかかっても住み慣れた地域で安心して自分らしく生活できる環境の構築を目標とし、予防、早期発見、地域がん医療の充実及びがん患者・家族への支援の4分野にわたり9つの施策のもと37の事業に取組んでいます。

【問】足立区においても、当事者のニーズに応じた重点的な推進を図るために「がん対策アクションプラン」の策定をし、緊急に飛躍的な支援の向上に努めて頂きたいと思いますが、如何でしょうか。

【問】また「がん対策推進条例」の制定を求めますが、区の見解を伺います。

<衛生部長>
がん支援についての一連のご質問についてお答えいたします。
まず、がん患者やがん体験者への手厚い支援の構築とがん対策推進条例等の策定についてお答えします。
区ではこれまで、早期発見、早期治療につなげるため、がん検診の受診率向上を中心に対策を講じておりましたが、福祉や雇用などと連携した総合的ながん対策の支援については必要な対策であると認識しております。
今後はまず、基本法や平成30年3月に改訂された都のがん対策支援計画に基づき、国や都との役割分担を明確化すると共に、区ががん患者に対しどのような支援が可能か研究して参ります。
ご提案のアクションプランや条例の制定については、具体的な支援策を研究する中で必要性を判断して参ります。

<長谷川たかこ>
2016年10月に東京都豊洲にマギーズ東京が新設されました。がんに悩む人が、そこで不安をやわらげるカウンセリングや栄養、運動の指導が受けられ、仕事や子育て、助成金や医療制度の活用についてなど生活についても相談することができます。ここに来るだけで人は癒され、さまざまな専門的な支援が無料で受けられます。江東区ではこのマギーズ東京に委託をし、仕事帰りに立ち寄れる相談拠点として、働くがん患者向けの夜間相談窓口を今年の4月から開設しました。また、港区では、港区立がん在宅緩和ケア支援センター「ういケアみなと」を開設し、相談や講習のほか、思い思いの時間を過ごすための交流スペースがあります。相談室では、看護師や医療ソーシャルワーカーが、日々の療養生活の中で困っていることなどの相談を受けており、講習室やキッチンなどを利用して、専門のスタッフによる栄養相談やメニューの提案、リハビリテーションの支援のほか、外見の変化に対するアピアランス支援なども企画しています。がん患者、体験者、そのご家族、支援者などが気軽に交流できる場の提供などが盛り込まれています。

【問】足立区においても看護師、心理士、栄養士などの多職種の専門家が揃う相談窓口を設け、がん患者、体験者、そのご家族が気軽に交流できる場の提供として、緩和ケア支援センターの設置を強く求めますが、区の見解を伺います。

<衛生部長>
次に、緩和ケアセンターの設置についてお答えいたします。
現在、区では各保健センターや地域包括支援センターにおいて、がん患者の方に対する相談やがん体験者の活動等の支援を行っており、今後はさらに他職種の専門家との連携を強めて参ります。
また、区内には、緩和ケアを行う地域の診療医が都心区と比べ多くおります。そのため、ご提案にある緩和ケアセンターの設置は、現在考えておりませんが、今後、医療との連携も含め地域の状況に合った緩和ケアの体制を足立区医師会と共に検討して参ります。

<長谷川たかこ>
現在、がんは治る病気になりました。しかし、その分、がん体験者が増えています。AYA世代、つまり15歳から30歳前後の思春期、若年成人、中高年のがん体験者も増えている中で、その後の人生を行政がサポートし、早期に社会復帰できることが、日本においてこれから迎える超高齢化社会に向けた重要な課題になってくることと思われます。

がんに罹患したことで休職したり、再就職ができなくなるなど、当事者の皆さんは就労に悩まされています。がん対策推進基本計画では、働く世代へのがん対策が重点課題に位置づけられています。しかし、足立区では、がんに罹患した方に対する就労支援が行われていません。

厚労省の「がん患者・経験者の就労支援の在り方に関する検討会」によると、がん患者はがんになって初めてその病状や治療法について知ることが多く、今後の治療スケジュール、治療に起因する合併症等により自分の仕事にどのような影響が出るのか予想できないことが多いそうです。また、企業への伝え方がわからず、性急に仕事を辞めて治療に専念するという決断をしてしまうこともあるそうです。また、医療の提供体制は患者が治療を最優先することを前提としており、診療時間が平日昼間に限られるため、就労を犠牲にせざるを得ない状況になります。

企業では、上司、同僚及び人事労務担当者の、がんやその治療に関する知識・理解が不足しています。体系的にがんについて教育を受ける機会がなく、企業がどのような取り組みを行っているのか、先進的な事例についての情報共有も十分ではありません。

厚労省では、就業上の措置や治療に対する配慮を行い、治療と職業生活が両立できるようにするためのガイドラインが作成されています。ガイドラインでは、職場における意識啓発のための研修や治療と職業生活を両立しやすい休暇制度・勤務制度の導入などの環境整備、治療と職業生活の両立支援の進め方に加え、特に「がん」について留意すべき事項をとりまとめています。

【問】そこで足立区でも、厚生労働省が示している「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」を活用し、区内の企業に対して周知・啓発を行って頂きたいと思いますが、如何でしょうか。

【問】また、企業関係者や産業保健スタッフ、医療関係者を対象としたガイドラインの解説や、具体的な取組方法について、区が主体となったセミナーや研修会などを開催して頂きたいと思いますが、区の見解を求めます。

<衛生部長>
次に、治療と職業支援のためのガイドラインを活用しての周知・啓発、区が主体となったセミナー等の開催、専門家の派遣についてお答えします。
ご提案の厚生労働省が示しているガイドラインを活用して、区内の事業所にがんに対する意識を周知・啓発できるよう検討して参ります。
一方、セミナーの開催や専門家の派遣は、国や独立行政法人労働者健康安全機構等が同様の事業をすでに行っており、先ずはそうした事業の活用による情報提供を関係所管と協議しながら進めて参ります。

【問】さらに、足立区から専門家を派遣し、企業を直接訪問し、治療と職業生活の両立支援に関する制度導入や教育などを行い、具体的な支援を積極的に行うことが最も効果的であると思われますが、如何でしょうか。

現在、がん治療と職業生活の両立を図るための優れた取り組みを国や都が事例集として発行しています。

【問】区として、このような事例集を企業経営者に是非とも積極的に発行・配布して頂きたいと思いますが、区の見解を伺います。

【問】東京都が実施する「がん患者の治療と仕事の両立への優良な取り組みを行う企業表彰」の事業を区としても積極的に周知して頂きたいと思いますが、如何でしょうか。また、足立区として、独自にこのような表彰制度を創設することも、がん対策の取組み促進に一役を担う効果的な手法と言えます。区内のより多くの企業に自主的かつ積極的にがん対策に取組んでもらうものとして創設して頂きたいと思いますが、区の見解を伺います。

<衛生部長>
次に、事例集の企業経営者への配布及び企業への表彰制度についてお答えします。
まず、事例集の配布ですが、国や都が発行している事例集の活用を検討して参ります。
また、企業の表彰制度については、すでに東京都の表彰制度があることから、現時点では、区として新たに表彰制度を創設するのではなく、都の表彰制度への応募を呼び掛けて参ります。

<長谷川たかこ>
次に社会経済的な課題を挙げたいと思います。がんに罹患することで就労形態が変化し、それに伴い収入が低下をしていきます。がんは原則、私傷病であることから、業務上疾病と違って会社責任で手厚い対応をとることが難しい状況です。

東京都の世田谷区では、今年4月からがん患者への支援として重粒子線治療などの治療費を金融機関から借りる際の利子を補給する制度を開始しました。融資額の上限は350万円。区内在住であれば所得制限等はなく、1.25%の金利を全額負担してもらえるので、実質、元本のみの返済となります。

豊島区でも先進医療を受けるための専用ローンを設けており、1年以上、区に居住し、住民税等の滞納がなく、一定の所得以下であることが条件になります。融資の上限額は300万円以内で、利子相当額を区が助成する制度となっています。他にも鳥取県や大阪府などの自治体でも、治療費を金融機関から借り入れる際の利子を補給する制度を設けています。

がんの治療費を軽減するには、高額療養費制度や傷病手当など公的保険による手当がよく活用されますが、再発や転移で治療費の出費がかさむと、それだけでは十分ではありません。厚生労働省が保険外併用を認める先進医療を受ける場合は公的保険がきかないため、患者にとって大きな負担となります。

【問】そこで、足立区においても、がんの先進医療を受ける予定のある区民に対し、治療費を金融機関から借り入れる際の利子を補給する制度を設けて頂きたいと思いますが、如何でしょうか。

次に、治療による外見変化に対する対応として、医療用ウィッグや胸部補正具などの購入の助成制度の創設についても求めていきたいと思います。

がんの治療による外見の変化は就労意欲にも影響することから、外見支援の専門スタッフやウィッグ等の利用に関する支援が望まれています。港区では、2015年度に策定した「がん対策推進アクションプラン」に患者への就労支援として、がん治療の副作用による「見た目」への影響を補正する装具購入の助成制度を盛り込んでいます。昨年度は、医療用ウィッグや胸部補正具などに300万円を計上し、初年度の申込件数は93件あったそうです。また、半数が30~50代からの申し込みで、好評を得たそうです。 港区では、今年度も申込件数は昨年度と同程度になると想定し、前年度と同額の予算300万円を計上して引き続き支援をするとお聞きしています。

【問】足立区においても、医療保険の適用対象外となっているウィッグと胸部補正具の購入経費の一部を是非とも助成して頂きたいと思いますが、区の見解を伺います。また、区の各種イベントに関連企業に展示をしてもらい、当事者がウィッグや胸部補正具を手に取ってみることができる機会を区として多く手掛けて頂きたいと思いますが如何でしょうか。

検診や治療と並んで大変なのは、がんを患ってから「いかに生きるか」「いかに支えていくか」です。私は、がん患者の皆さまが「自分らしく生きることができる社会」をこの足立区から全力で構築していきたいと思います。

<衛生部長>
つぎに、利子補給制度の創設及び、用具の購入にかかる費用助成や用具の展示についてお答えします。
まず、先進医療を受ける場合の利子補給制度の創設についてですが、どの程度の予算規模がかかるかなど先進事例について研究させて頂きます。医療用ウィッグや胸部補正具などの購入への助成についても、現在実施しているのは23区で港区のみであることから、引き続き研究を進めて参ります。
一方、医療用ウィッグや胸部補正具などの展示は、各保健センターにパンフレットを設置しているほか、今年度は千本桜祭りやピンクリボンあだち講演会において、手に取って見られる展示も行いました。今後も時期を捉えて展示の機会を提供するよう努めて参ります。


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