今日は西新井ギャラクシティで行われた成人期発達障害「さゆり」の映画上映&当事者による講演会に参加をしてきました。
「さゆり」は幼少期に見過ごされたまま、成人になり就労で苦労する話です。主に職場が舞台となりますが、社会での理解や支援が乏しいため、問題が大きくなり、こじれる一方…という描写が克明に描かれています。当事者は自分の特性を把握していない、周りも適切な支援が出来ていないために、その環境が不適切であるため、当事者が2次障害(鬱や人格障害など)を併発してしまい、さらに状況を悪化させます。
発達障害の特性がある人の理解や支援を考えるときに大切なことは、その人が持っている特性や苦手なことを「努力すればできるようになる」と期待しないことだそうです。もともと本人の苦手なことはその特性に由来しているからです。
発達障害の特性のある人(例えばアスペルガー症候群)は、複数に同時の事が出来ない、周囲に気を配りながら何かをすることが大変苦手です。
これは本人が努力を怠っているのではなく、脳機能の偏りによって生じています。
特性は特性として、きちんと周囲の人間が受け止め、仕事を同時に進行させずに済む方法を考えたり、周囲に気を配らずに仕事が進められるような環境を整えるなどの方法で支援をすることが重要となります。
成人期にも発達障害があるという事がマスコミなどを通じて広く発信されたことで、この言葉を知るようになりましたが、実際にはまだまだその認知度は低く、各自治体の支援も幼少期に留まっており、診断名のつかない成人期の発達障害特性がある当事者や家族に対する具体的な支援までは至っていないのが現状です。
社会性の遅れに関しては未だにその方法論が確立されていない現状があります。
私は今日行われた映画上映や当事者の講演会は、発達障害をより多くの人たちに理解をしていただく為の第1歩になると思います。発達障害特性が社会生活の中で融合せずその生きづらさから2次障害が併発されます。周りの人に理解と支援があれば2次障害は予防することができます。
当事者には自分の適性を知ってできるところを生かしていく取り組み、家族には精神的なケアが必要です。
いかに区民の皆様にこの発達障害を理解して頂くか、当事者会の方々と連携をし、支援の輪を広げていきたいと思います。