東京都の家族政策~現状と課題~
引き続き、民主党都連 男女共同参画委員会で行われた勉強会です。
東京都福祉保健局から、東京都の家族政策~現状と課題~についてお話を伺いました。
内容は、東京都の主な「子育て支援策」と「ひとり親家庭」の状況と支援体制についてです。
核家族化が進み、地域社会の中で人との関係性が希薄になってきている現在、子ども達が安心して安全に過ごせる環境をわれわれ大人が子ども達に与えていかなくてはいけません。
そのような現代社会の中で、育児と仕事が両立できる環境を構築し、安心して子供を産み育てる環境を作っていくことが重要です。
国づくりの根幹を成す子ども施策は、社会全体で取り組んでいくものです。
国や都、各自治体で子育て家庭を見守り支援する施策を社会全体の隅々までしっかりと行い、その機運を高めていかねばならない喫緊の課題です。
以下、東京都では3つの施策を3本柱として取り組みを進めていくそうです。
1.子育てと仕事の両立に向け、保育サービスを推進
保育所待機児童の解消に向けて、多様な保育サービスを組み合わせることで平成24年度から3か年で保育サービス利用児童数を24000人分増加する。
主な事業展開:
・待機児童解消区市町村支援事業
待機児童の解消に向けて、保育の実施主体である区市町村が地域の実情に応じて実施する事業を広く支援し、0~2歳児の定員拡充につながる取り組みをさらに加速させる。
・認証保育所事業
大都市の多様な保育ニーズに対応するために、0歳児保育、13時間開所を義務付けるなど、都独自の基準による認証保育所の設置を促進する。
・保育所緊急整備事業(安心こども基金)
保育所の新設、増改築等による整備を支援する。
2.安心して子育てができるよう家庭を支援する取り組みを推進
安心・安全に毎日の子育てができるよう、子育て家庭を支援するためのサービスや環境づくりを進め、社会全体で子育て家庭を支援していく取り組みを推進していく。
主な事業展開:
・妊婦健診の充実
区市町村が行う妊婦健診事業にかかる費用の一部を補助することにより、妊娠中の方への健康管理の充実及び経済的負担の軽減を図る。
・「子育て応援とうきょう会議」による気運の醸成
・企業やNPO、大学、行政など幅広い分野で構成する「子育て応援とうきょう会議」が運営するフォーラムやホームページなどを通じて、企業における働き方の見通しや子育て家庭における情報発信などを進め、社会全体で子育て家庭を見守り支援する機運を一層高めていく。
3.特別な支援を要する子どもと家庭への対応を強化
児童虐待などにより家庭で暮らせない子ども達が増えていることから、児童養護施設や養育家庭など社会的養護の受け入れ態勢を充実し、きめ細かいケアを実践するとともに、要支援家庭を早期に発見し、必要な支援につなげることで児童虐待の未然防止を図る。
ひとり親家庭に対する就労促進策を拡充し、生活の安定を図る。
主な事業展開:
・区市町村の虐待対応力向上支援
先駆型子ども家庭支援センターの虐待対応力向上のため、虐待対策コーディネーターの配置や、虐待対策ワーカーの増配置を行う区市町村を支援する。
・子ども家庭総合センターの整備
児童相談所の機能を充実強化するとともに、福祉保健、教育、警察が連携し、子どもと家庭を総合的に支援する拠点として子ども家庭総合センターを平成24年度末に開設する。
・児童養護施設の治療的・専門的支援体制の強化
精神科医師や心理担当職員を配置し、治療的・専門的ケアを行う専門機能強化型児童養護施設の規模を拡大するなど、機能の充実を図る。
・養育家庭への支援の拡充(里親支援機関事業の拡充)
社会的養護を必要とする児童の里親への委託を一層推進するため、児童相談所業務を補完する専門機関の設置を拡充し、夜間土日養育相談対応や定期巡回訪問などを行うことにより、里親委託を総合的に推進する体制を強化する。
・ひとり親家庭などに対する就業支援
ひとり親などを対象とした在宅就業サポートセンターにおいて在宅就業の情報収集・発信、仕事と家庭の両立にかかる専門相談や職業能力開発を行うとともに、在宅就業に向けた能力開発や仕事の斡旋を行う区市を支援する。
母子家庭の生活の安定に役立つ資格取得を促進するために、一定の訓練機関にかかる訓練促進費を支給して母子家庭の自立促進を行う区市を支援する。