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足立区議会 議会改革を全力で推し進める会&無会派での視察①『文京区 ネウボラ支援施策について』

今日は足立区議会 有志の皆で文京区の視察に行き、文京区の先進事例3テーマについて学んできました。

先ずはネウボラ事業から。

日本は人口減少社会に突入しています。国の人口動態調査でも5年連続のマイナスです。これを重く見た国では、少子化危機突破タスクフォースを発足させ、日本全国で少子化対策の取り組みを後押ししています。

文京区版ネウボラ事業は、東京都のゆりかご・とうきょう事業を活用し100%の補助金でこの事業を行っています。妊娠から出産、子育て期にわたる切れ目ない支援によって、より身近な場で妊産婦の方等を支える仕組みを構築されています。
※ネウボラとは、フィンランド語で「アドバイスの場」を意味する支援制度です。
北欧フィンランドでは、妊娠期から出産、子育て期と切れ目のない支援事業が北欧で行われています。

出産後の身体に与えるダメージや体力の消耗は想像以上に大きいものです。

出産後の母体は妊娠中よりもつらく、乳房や筋肉、会陰縫合部の痛み、言葉では言い表せない尿漏れや痔、脱毛などの不快症状、赤ちゃんへの授乳による慢性的な睡眠不足に疲労困憊、そして育児不安やホルモンバランスの変化により体の不調を感じる日々です。

妊娠中に身体のだるさやつわりや尿漏れなどに悩まされている人が多いものですが、その不調は出産すれば治るものではなく、出産によって広がった骨盤や緩んだ筋肉の影響で骨盤周りに違和感が続いたり、筋力の低下や授乳による乳房のトラブルなど、いずれも妊娠中には予想していなかった不調やトラブルが続きます。

「産んだら楽になる」という考えは間違えで、多くの女性達が体にトラブルを抱えたまま、子育て期をスタートさせています。しかし、妊娠中ほど、周りが身体を労わってくれるわけでもなく、かわいい赤ちゃんを手にして自分の不調を訴えることはなかなかできないのが現状です。

出産後の約30~50%の女性がマタニティブルーになると言われています。
分娩が終了し、妊娠・分娩に伴う母体の生理的変化が非妊時の状態に回復するまで通常6~8週間。この産褥期に生理的にも精神が不安定になりやすい時期と言われています。

私が先日出席した違う会合で専門家からお聞きした内容では、高齢出産の女性が特に産後の影響が出やすいという結果が出ています。
エジンバラ産後うつ病自己評価表によると、特に35歳以上の産後の女性は約20~30%、産後1日目に比べて、産後2週間の方が得点が高い結果となっており、2015年~2016年の2年間に死亡した妊産婦(妊娠中から産後1年未満)の377名のうち自殺は102名(他の死因;心疾患28人、脳神経疾患24人、出血23人)。
産後の自殺は92名(妊婦3人、出産後92人、死産後7人)となっており、35歳以上の自殺率が他の年代より高く、初産婦は2人目出産の約2倍となっているそうです。

サポートが必要な時期に得られないと、母子関係や子どもの発達に大きく影響が出るそうです。

・母親の子どもに対する情緒的絆(ボンディング)の形成力の低下
子供に対して何も感じない。
自分の子どもではないように感じる。
子供と二人きりになると不安になるなど。
・親が無表情になると子供のネガティブな感情表出が増加

これらのことを未然に防ぐためにも、「産後うつ早期発見の取組み」から「産後うつを発生させない取組み」を強化させるために、文京区では、妊娠・出産支援を強化し、地域において妊娠期から出産、子育て期へと切れ目なく支援していくことを重要な項目としてとらえその取り組みに力を注いでいます。
・核家族化、地域のつながりの希薄化等により、地域において妊産婦やその家族を支える力が弱くなってきており、出産直後の心身のケアや妊産婦の孤立感の解消等が必要になってくる。
・妊娠・出産支援を強化し、地域において、妊娠期から子育て期へと切れ目なく支援していくことが重要である。

さらに文京区では、産前・産後サポート事業として365日、助産院で助産師が産前・産後の健康や子育ての相談に保健師や助産師が応じる相談窓口を設けています。

また妊娠が分かった時点での一番最初の取組みとして、ネウボラ面接を行っています。これは、妊娠したお母さんたちにまず保健師や助産師が面接相談を行うことで安心して妊娠・出産・子育てができるよう支援するものです。
ネウボラ事業は各自治体での補助金申請の条件として、この母子面接を必ず行うことが条件の一つになっています。文京区では、面接を行った妊婦に妊娠を祝福し産まれてくる赤ちゃんを歓迎するメッセージとして育児パッケージを配布しています。そして、全員面接をする場として、保健サービスセンターを設け、妊産婦さん達に育児パッケージと引き換えにサービスセンターへ足を運んでもらうという仕掛けをしています(墨田区も同様の取組みです)。

また、宿泊型ショートステイ事業を行っています。
対象者は、産後4か月未満で体調不良や育児不安などがある、もしくは家族などからの援助が受けられない母子です。
内容は、母体の健康観察、乳房のケア、乳児の健康観察、体重、栄養などのチェック、育児指導、授乳指導、沐浴指導です。

両実家が遠方だったり、高齢や介護中でサポートが得られない、高齢出産で体力的に不安だったり、初産で家族のサポートがなく不安、夫が多忙(遠方勤務で早朝出勤・深夜帰宅、出張あり、海外赴任など)等の様々な理由で、申請をされているそうです。

利用者の声としては、「病院を退院した時には、身体がボロボロで育児にも不安があったが助産師にいつでも身体の不調や赤ちゃんのお世話の仕方を相談することができ安心だった」との声や「上のこの時はサポートがなく、産後に動きすぎて大変な思いをしたが、今回は助産師のサポートのもとで回復することができた」との声が上がっているそうです。

産後ケア事業としては他にも、平成30年度から赤ちゃんとママのホットサロンや訪問型産後ケア相談事業を展開しています。

赤ちゃんとママのホットサロン:
対象者
・産後5か月未満で赤ちゃんのお世話や過ごし方に不安がある
・産後の回復に不安がある
・家族などから十分なサポートが受けられない  など
目的
産後、心身の不調若しくは育児不安などがある、または家族などからの十分なサポートが得られない産婦などが、安心して休息・相談ができ、育児スキルや赤ちゃんとの接し方を学ぶ場を得ることで育児に自信が持て、孤立を予防する
内容
・助産師によるミニ講座(抱っこの仕方、母乳の話、産褥体操、骨盤体操、ふれあい体操)
・個別相談(母乳の相談、母親の体調や気持ちに関する相談、育氏の相談 など)
・参加者同士の交流
参加者の声
・助産師に相談ができ不安が和らいだ
・いろいろな方の話が聞けて良かった。っこういう地域コミュニティにもっと参加したい。

訪問型産後ケア相談事業
対象
・産後4か月未満で行き児不安や心身の不調がある母子
目的
アウトリーチ事業
助産師が直接自宅に訪問をし、必要な支援を行うことにより、安心して子育てを行うことができる。自身の健康の相談を通じて、必要な医療や保健サービスを利用することができる。
内容
・助産師による乳房ケアなどの産後の心身のケアや育児全般の相談3回まで
費用
3千円

また、父親支援として文京区ではサタデーパパママタイムが開催されています。
サタデーパパママタイム
対象
・0~3か月の乳児とその保護者
目的
月齢の近い子どもを育てる父親を含めた親同士の交流を図ることで、子育ての仲間づくりを促す。土曜開催により、父親からの相談にも積極的に応じる。
内容
子育てミニ講座
パパママ同士の交流
保健師・助産師の相談
参加者の声
・近くに同じくらいの赤ちゃんを育てている人がいることを知り、心強く思った。
・他のパパたちが子育てを頑張っているのを見て、我が家のパパもやる気になった。
・他の家の様子を聞くことができてよかった。安心した。
・今日をきっかけにして今後もお付き合いが出来そう。

今後の課題としては以下の項目が挙げられるそうです。
・事業や支援方法の評価・検証と改善
・妊産婦や子育て家庭を地域で支えるためのネットワークの更なる強化
・医療機関との連携により、多くの親と子どもの育ちを支える普遍的に予防の取組みを行うこと…ソーシャルキャピタルの醸成
・妊娠期支援の重要性 妊婦面接、母親学級、両親学級などにおける妊娠期・産後のメンタルヘルスの知識(自覚のある人はほとんどいないそうです)の普及啓発
家族の出産後の生活イメージを具体的にし、出産後のお母さんを支援できる家族や地域の準備性を高める取組み
・面接技術の標準化、リスク評価と支援方法の検討

文京区では、包括支援ネットワークも整備されており、関係機関との連携がスムーズになったそうです。妊娠期からの相談を受けていることが広く認識されつつあることにより、今までかかわりの薄かった部署からも連絡が入りやすくなり、医療機関や助産師、児童福祉部門との連携が妊娠中や出産直後などより早期からスムーズに行えるようになったそうです。 文京区では、このような取組みによって、産後ケア事業の充実により、タイムリーに専門的なケアができています。また、要支援者をキャッチできるチャンネル(機会)が増えたことにより、休息や支援が必要な妊婦に専門的なケアが提供できているようです。 また、地域のキーパーソンが発掘できているとのこと。

足立区においては以前も記述したように、子育て支援は東京23区なんとワースト1の状況です。
今回視察をした文京区の取組みを足立区にも導入させ、足立区に住む全妊産婦のお母さんたちに還元をしていきたいと思います。

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文京区に有志の議員たちで視察に行きました。

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文京区が配布している「育児パッケージ」1万円ほどのものです。

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中身は肌着とツーウェイオール。ガーゼハンカチセットとガーゼバスタオルです。何れもミキハウスのものです。

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妊娠時に文京区から配布される資料です。


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