昨日今日と引き続き、民主党男女共同参画委員会のグループ内企業視察に行ってきました。
今日は日比谷にある第一生命保険株式会社です。
女性を即戦力として、多様な人材を受け入れ、人材育成を行っている企業の一つです。(もちろん、我々にご説明をして下ったのは、女性部長の方々です。)
第一生命は東洋経済新報社「ダイバシティ経営大賞」ワークライフバランス部門賞(2011)を受賞しているワークライフバランス優良企業です。
職員一丸となって、様々な制度を支援し実績を挙げています。職員満足度も年々向上しているそうです。
目に見える実績として、「パパトレーニング育児休業」と名付けて男性の育児休業取得を積極的に推進していました。担当部署が、子どもが誕生する男性職員に育児休業取得を積極的に取るよう促し、ここ数年で男性の育児休業取得者数が一気に増えたそうです。
2009年 取得者数 4名 取得率 1.70%
2010年 取得者数58名 取得率 48.30%
2011年 取得者数32名 取得率 34.40%
次世代育成支援対策推進法が制定され、「子ども・子育て応援プラン」に基づき少子化対策が推進されてきましたが、職場の理解が浸透していないとなかなか男性が育児休暇を取得することが難しいのが現状です。
妻の就労の有無にかかわらず、父親として親の役割を積極的に果たさなければ、妻の子育ての気持ちも理解できないし、将来の子どもの健全な育ちに父親として十分な役割を担うことは難しいと感じます。
そのためにも父親が育児にかける時間をつくることが、父親としての自覚を促し、円満な子育て家庭を築いていくステップになると思います。
職場や社会が応援する風土や意識を啓発する、第一生命の取り組みは、他の企業でも大いにお手本にしていただきたいものです。
今回の視察で、創立110周年を迎える第一生命保険株式会社の「人を大事にする」経営理念にクオリティの高さを感じた次第です。
最後になりましたが、お忙しい中、丁寧なご対応・説明をいただきましたご担当者の皆様、本当にありがとうございました。
以下、第一生命のダイバーシティ推進に向けた取り組み(いちばん、人を考える会社になる)についてです。
●第一生命のダイバーシティ推進に向けた取り組み
1902年の創立以来「お客様第一主義」を経営理念としている。
CSR経営を発展させ、当社独自のものとして、職員一人一人が自分のものとして高い次元で取り組む活動という想いをこめ、第一生命の「D」を頭文字としてDSR(第一生命グループの社会的責任)と名付けた。
第一生命のダイバシティ推進の進化
2009年 総合職と一般職を一本化・職員の「意識改革」の取り組み
2010年 職員一人ひとりが成長戦略遂行に向けた「行動変革」を実現
2011年 経営課題に直面する職務に取り組み成果を出す
トップダウンとボトムアップによる意識・行動改革
能力開発体系(CDP)・仕事と家庭の両立支援策の充実
積極的な登用制度、職務拡大
実績:2010J-Winアワード【敢闘賞】
厚労省主催 均等・両立推進企業表彰
「東京労働局長優良賞」2部門W受賞(2010)
2011 J-Winアワード【大賞】
東洋経済新報社「ダイバシティ経営大賞」
ワークライフバランス部門賞(2011)
厚生労働省 均等・両立推進企業表彰
フアミリー・フレンドリー企業部門
「東京労働大臣優良賞」(2011)
21世紀職業財団WLB認証取得(2011)
●全従業員の活躍を支えるワーク・ライフ・バランスの推進
ダイバーシティ推進の取り組みの一環として、ワーク・ライフ・バランスの実現を目指し、ファミリーフレンドリー制度の充実・利用推進と、ワークスタイルの変革に取り組んでいる。
●仕事と家庭の両立支援(ファミリーフレンドリー)制度の充実・利用推進
妊娠・出産・育児・復職といったさまざまな女性職員のライフサイクルだけでなく、介護などの生活と両立しながら、安心して働き続けることができるよう、制度を充実させている。2年ごとに次世代育成支援対策推進法の取得計画を提出し実行している。
次世代育成支援対策推進法による行動計画の取り組みが認められ、「くるみんマーク」(次世代認定マーク)を取得。
●一般事業主行動計画
男性の育児休業取得の促進ならびに男性が育児に積極的に参加できるような職場風土づくりと職員全員のワーク・ライフ・バランスの実現を目指している。
出産・育児中の職員の円滑な職場復帰に向けた取り組みを強化し、子育てしながら活き活きと働く職場環境づくりを目指している。
●一例:
育児休業
子が満1歳6カ月を迎えた日の翌月以降、最初の4月末日または10月末日のいずれか早い日まで最長25カ月の取得が可能。保育園などのならし保育にも対応している。
育児のための短時間勤務
子が小学校就学後の最初の4月末日までの間、通常7時間勤務を「6時間」または「5時間」に短縮できる。
育児サービス経費補助
保育所等の育児サービスを利用しながら、継続的に働きつつ育児を行う職員に対し、経済的な負担を軽減するための制度。
ふぁみりぃ転勤
通常、転居を伴う異動のないエリア職員が、家族の転勤などにより居住地の変更を希望した場合、通勤可能な所属への異動を認める制度。
孫誕生休暇
職員の子(子の配偶者含む)の出産時(「孫」が誕生した時)、年休とは別に3日間の特別休暇を付与する。年休2日と土日を合わせて、最長9日まで連続休暇を取得できる。
介護休業
家族に対する介護をより充実させ、安心して仕事の両立がはかれるよう、通算365日の介護休業を取得することができる。
介護のための短時間勤務
介護のために、通常7時間勤務を、「6時間」または「5時間」に365日を限度に変更できる。
ワーク・スタイルの変革
ワーク・ライフ・バランスの実現には、職員の働き方の変革が重要との考えから、終業時刻目標の設定や全社を挙げた業務量削減取組などを行うことで、生産性を向上させ、早帰り運動・年次有給休暇の取得推進を実施している。
また、男性の育児休業取得推進や、家族の職場参観日を年数回開催するなど、職員のワーク・ライフ・バランスの向上に取り組んでいる。
早帰りの推進
終業時刻目標設定
終業時刻目標(管理職・役付は原則19:30、アソシエイトは原則18:30)を設定。
「早帰り日」の設定
原則週1回の「早帰り日」の設定により、早帰りを推進。
年次有給休暇などの取得推進
「計画公休制度」
本人の希望をもとに年間6日の年次有給休暇の取得予定日をあらかじめ計画的に定めている。
「ワーク・ライフ・バランス休暇」
年次有給休暇をより取得しやすくするため、子どもの看護、学校行事、介護、不妊治療、自己啓発、ボランティアなどの事由により年次有給休暇を取得する場合、「ワーク・ライフ・バランス休暇」とすることができる。
「健康増進休暇」
2011年4月より、職員が人間ドックのために年次有給休暇を取得する場合、「健康増進休暇」とすることができる。
男性職員の育児休業取得推進
当社では「パパトレーニング育児休業」と名付けて男性の育児休業取得を積極的に推進している。
2009年 取得者数 4名 取得率 1.70%
2010年 取得者数58名 取得率 48.30%
2011年 取得者数32名 取得率 34.40%
家族の職場参観日の実施
職員の子どもや家族に、会社や仕事に対する理解を深めてもらうために、2008年度より職場参観日を開催している。