成人の発達障がいについて現在、研究をしています。
発達障がいは生まれながらの脳の機能障害であり、言葉や知的能力に遅れはありませんが、対人関係をうまく築けない特徴があります。
比喩や皮肉が伝わりにくい、強いこだわりを持ち、自分の感情を抑えることができないなどが挙げられます。記憶力や言語能力が高く、芸術や研究などの分野で活躍する人もいるそうです。
遺伝的な要因が高く、家族も同じ発達障がいの場合には、幼少期に見過ごされたまま成人期まで至ってしまうケースが多く見受けられます。そして、その当事者が結婚した場合には、パートナーが一番悩み苦しむというケースが生じています。
今朝の新聞に発達障がいの夫を持つ妻の記事が掲載されていました。
付き合っている頃からちょっと変わった人、風変わりな人と思ってはいたが、結婚してみたら、どうしても気持ちを通わせることができない。
実は、夫が発達障がいだったという内容です。
最近は、マスコミも成人の発達障がいについて記事を挙げることが多くなり、「成人期の発達障がい」が注目されるようになりました。
これにより、今までただの夫婦問題としてしか扱われていなかった問題が、実は家庭内の不適応状態はパートナーの精神疾患から生じていたという事実が明るみになってきました。
離婚問題に詳しい弁護士にお聞きしてみると、離婚相談の中でも、夫婦どちらかに発達障がい傾向のある案件が最近は急増しているとの話でした。
結婚後に、「この人変だな」と思うことが積み重なっていくそうです。
例えば、別に怒り出さなくていいときに怒り出す、どうでもいいことが本人にとっては許せないことだったり、普通に考えたら気にしなくていいことであっても、やたらと問い詰めて自分の思うように通らないと家を飛び出す、それがエスカレートして暴力で訴えるようになる。パートナーと将来の話しがしたいのに意思疎通ができない。
しかし、このような問題も、専門の医療に携わっている方々からの話しによれば、本人に困り感がなければ医療は何の手助けもできないそうです。
当事者が困り感を持っていなく、普通ではない生活も普通だと思っている当事者に対して、今後、どのようなアプローチができるのか、一番悩み苦しんでいる周りの家族をどのように救済していくことができるのか、今後の課題でもあります。