今日は衛生部が主催する「ゲートキーパー研修」に参加をしました。
この研修会は、区民及び職員を対象とした自殺対策に関する研修会です。
この研修により、自殺の実態を知り、自殺のサインに気づけるようになる研修となっています。
全国では、年間3万人の人たちが自殺で尊い命を絶っています。この3万人という数は東京フルマラソンに出場する人数と同じです。
また、足立区の自殺者数は、平成10年からの13年間で2122人。この人数は足立区内の町会が一つ丸々消失するほどの人数です。
足立区では、これからも増え続けていくであろう可能性のある自殺者を一人でも減らしていくために、さまざまな「生きる支援」を行っています。そのひとつがゲートキーパーの養成でもあります。
ゲートキーパーは直訳すると「門番」という意味です。
悩みを持つ方々に接する人たちを「いのちの門番」として位置付け、自殺の兆候を見つけだして問題解決につなげようとするものです。相談者の隠れた悩みに気づいた時に、相談者の了解を得て適切な関係機関に繋がるように案内をする役をします。
悩みを総合的に解決していくための道案内の役割を果たすのがゲートキーパーです。
相談者への対応は大変難しい場合もあります。
例えば、発達障がい傾向が顕著に出ている人では、問題解決が出来なくなると自殺を口にだし、自傷・他害行為が何回も繰り返されます。その行為を食い止めるため、それを改善させるために、血のつながった親族に話をしても、全く耳を貸してもらえない状況であったり、医者につなげても社会の受け皿がないためにさじを投げられてしまい、診断名がつかず、そのような生き方しかできない人と言われるだけでそれ以上の治療行為にもつながらない、日常生活の困難さが全く改善されないという現状があります。
関係機関に繋げたのに適切な対応がなされないジレンマ。本人の自殺行為を食い止めることに悩み、苦しんでいる気持が、日増しに当事者を支える側の重荷になり、心をむしばんでいきます。逆に自殺すると言い続けている当事者よりも、支える側が「自殺」というアクションを起こしてしまいたくなるような心理状況に追い込まれていく現状があります。
当事者を支えようと家族が頑張れば頑張るほど、閉塞感しか生じない悪循環。
なぜなら、医療機関・専門機関との連携をしようと一生懸命家族は動いているのに、全国的にも成人期の発達障害という支援策が全くないため、支援にのらず、生活の改善が全く見えてこないからです。それは、日々の不安感、焦燥感しか生じません。
当事者とどのように向き合うのか、どのように家庭再建できるのか、考え・悩みぬく日々の生活の苦しさ(血を吐くほどの苦しさ・もどかしさ)。その悩みが日々の生活の中で、比重が大きくなればなるほど、食欲が落ち、身体にも変調が生じます(体全体の突発的な発疹だったり、鬱っぽくなっていく状況が自覚できるほど)。
自殺に追い込まれる理由は様々です。
このゲート―キーパーにより、足立区では、それなりの大まかなセーフティーネットは出来上がりました。しかし、まだまだ、どうしてもそのセーフティーネットにかからない要因があることも踏まえなくてはいけません。そして、その抜けている部分に焦点を当て、構築していく必要性があります。
全国的にも成人期発達障害の支援策は構築されていません。この分野に切り込み、効果的な支援策を構築することが、多くの人を救うことにも繋がっていきます。
今、この瞬間にも、支援にのらない多くの家族や当事者が悩み苦しみ、自殺念慮を抱く要因にもなっているという現実があります。
私は、この支援施策を構築することに全力を期したいと思います。