民主党足立区議会の会派で行った視察の続きです。
視察3日目、朝から京都府庁です。
京都府庁での視察は、発達障害者支援についてです。ライフステージにあわせた発達障害支援策についてお聞きした後に、京都府教育庁と京都府総合教育センターより、特別支援教育の視点を入れた教育についてお話を伺ってきました。
通常学級に在籍する発達障害のある児童・生徒に対する教育的対応は今まで見過ごされてきました。知的を伴わない発達障害傾向の特性を持つ子供たちは、文科省の調査によると、通常学級の中に6.5%います。
このような傾向を持つ児童・生徒に対して学校全体が組織的に、体系的に教育支援を行わなくてはいけない喫緊の課題です。
そのため、京都府では小中学校に非常勤講師を配置して特別支援教育体制の整備を進めています。また、特別支援学級と通級指導教室を弾力的に運用して、特別支援教育への移行を踏まえた教育システムなどについて検討し、発達障害のある児童生徒の実態を踏まえた効果的かつ効率的な教育的支援を始めたそうです。
京都府では、この事業による非常勤講師を「特別支援教育指導員」として、発達障害のある児童生徒が在籍する小中学校に配置を今年度から行っています。
この指導員の活用形態は、
・「特別支援教室」構想を参考とする校内支援システムの構築と運用
・後補充 担任の個別指導時など
・指導補助 ティームティーチング
・個別・少人数指導等
の役割を担っています。
この指導員になる資格要件は、当該校種・教科の教員免許を有していることが原則となり、また、指導補助として任用される場合には、小・中学校高等学校又は特別支援学校の教員免許を有すればよいとされています。
この指導員は勤務時間週27時間の定額講師です。
発達障害を含む障害のある子どもの乳幼児から成人期まで一貫した支援を行えるよう、教育、医療、保健、福祉、労働などと連携して「相談支援ファイル」「移行支援ファイル」を作成して保護者に配布しています。
障害のある幼児児童生徒への支援にあたって、相談支援ファイル内に綴られた「個別の支援計画」「個別の指導計画」「移行支援シート」等が、次の進路先への引き継ぎの有益な情報となります。
入学前の学校での取り組みの友好な情報になることは間違いないです。
これについては都立足立東高校の視察に行った際にも、このような情報の有益性について、校長先生からお話しを頂いている状況です。現場の校長先生からも、発達障害傾向がある生徒については、各段階の学校での様子や家庭での様子など、情報が引き継がれるべきであると強くおっしゃっていました。
情報がなければ学校側が一からその生徒を観察し、家庭状況を把握し、その生徒に合った支援を考えなくてはいけないので時間がかかりすぎるという話しです。本来であれば、支援をすぐにでも開始しなくてはいけないにもかかわらず、支援が手薄になってしまうという状況があります。
京都府の話しでも、高校の相談フォローが一番難しいとの話しがありました。やはり、年齢が高くなればなるほど、その個別具体的な対応を的確に行うことが大変難しいようです。なぜなら、発達障害に対する対処法が確立されていないからです。
大学病院の専門家にも言われたことですが、当事者に対する対応は試行錯誤で行っている状況です。
年齢が高くなればなるだけ、支援自体が追いついてなく皆無に等しい状況という現状、極めて困難性を伴っています。
そのような中で、都立足立東高校は、当事者の対処法を一部個別具体的な事例集として、教諭間で情報を共有し、しっかりとした支援を行うことを前提とした取り組みを行っています。マニュアル化はしていませんが、情報の共有化としては、神奈川県立田奈高校も同じような取り組みをしています。
私はエビデンスをとり、個別具体的な支援の実例集・マニュアルを作成していくのが良いのではないかと思っています。
このように、発達障害者支援のキーを握る「相談支援ファイル」「移行支援ファイル」については、平成22年度は京都府から全市町に渡したそうです。しかし、活用するところまでは至らなかったそうです。フォルダー形式ですが、大きくて持ち運びがやや難、ということもあり、あまり活用してもらえなかったそうです。
今年度はこの反省を踏まえて、新たな「相談支援ファイル」「移行支援ファイル」を作成するとの話でした。私はこの支援ファイルは持ち運びに便利な母子手帳型にすればよいと思い提案をさせて頂きました(笑)。昔、子ども達が小さい頃は母子手帳に子ども達の成長記録を付けていたので(ページが足りなくなり、何回も紙を補充して糊で貼り付けてあります。お陰様で子ども達の母子手帳はパンパンです(笑))。母子手帳型にすれば、皆さん持ち運ぶと考えます!
また、京都府総合教育センターでは平成23・24年度2年間にわたり、特別支援教育部研究プロジェクトチームを中心に、「通常の学級におけるユニバーサルデザイン授業の研究」をモデル校を決めて行っています。その研究成果として「ユニバーサルデザイン授業~発達障害等のある子どもを含めて、どの子にもわかりやすい授業~」の小冊子および詳細版を作成しています。
今年度は、小中学校の各校長会でこの内容を報告し、各学校での導入を働きかけているそうです。
「授業こそ勝負」
という話しもありました。
発達障害などがある子ども達へわかる授業を展開すれば、それはおのずと、どの子ども達にも分かる、出来る授業へと変わっていきます。
一人ひとりの子ども達の学び方や問題行動に対して、それがなぜそのような言動になるのか、その背景や要因にも目を向ける必要があります。また、その言動を否定的ではなく肯定的に捉えることも重要です(千葉県のびろ学園で実際に私も学ばせて頂きました!)。
一人一人に適切な指導・支援を考える、そのような特別支援教育の視点を取り入れた教育をわたしは足立区から進めていきたいと思っています。
視察3日目、朝から京都府庁です。
京都府庁での視察は、発達障害者支援についてです。ライフステージにあわせた発達障害支援策についてお聞きした後に、京都府教育庁と京都府総合教育センターより、特別支援教育の視点を入れた教育についてお話を伺ってきました。
通常学級に在籍する発達障害のある児童・生徒に対する教育的対応は今まで見過ごされてきました。知的を伴わない発達障害傾向の特性を持つ子供たちは、文科省の調査によると、通常学級の中に6.5%います。
このような傾向を持つ児童・生徒に対して学校全体が組織的に、体系的に教育支援を行わなくてはいけない喫緊の課題です。
そのため、京都府では小中学校に非常勤講師を配置して特別支援教育体制の整備を進めています。また、特別支援学級と通級指導教室を弾力的に運用して、特別支援教育への移行を踏まえた教育システムなどについて検討し、発達障害のある児童生徒の実態を踏まえた効果的かつ効率的な教育的支援を始めたそうです。
京都府では、この事業による非常勤講師を「特別支援教育指導員」として、発達障害のある児童生徒が在籍する小中学校に配置を今年度から行っています。
この指導員の活用形態は、
・「特別支援教室」構想を参考とする校内支援システムの構築と運用
・後補充 担任の個別指導時など
・指導補助 ティームティーチング
・個別・少人数指導等
の役割を担っています。
この指導員になる資格要件は、当該校種・教科の教員免許を有していることが原則となり、また、指導補助として任用される場合には、小・中学校高等学校又は特別支援学校の教員免許を有すればよいとされています。
この指導員は勤務時間週27時間の定額講師です。
発達障害を含む障害のある子どもの乳幼児から成人期まで一貫した支援を行えるよう、教育、医療、保健、福祉、労働などと連携して「相談支援ファイル」「移行支援ファイル」を作成して保護者に配布しています。
障害のある幼児児童生徒への支援にあたって、相談支援ファイル内に綴られた「個別の支援計画」「個別の指導計画」「移行支援シート」等が、次の進路先への引き継ぎの有益な情報となります。
入学前の学校での取り組みの友好な情報になることは間違いないです。
これについては都立足立東高校の視察に行った際にも、このような情報の有益性について、校長先生からお話しを頂いている状況です。現場の校長先生からも、発達障害傾向がある生徒については、各段階の学校での様子や家庭での様子など、情報が引き継がれるべきであると強くおっしゃっていました。
情報がなければ学校側が一からその生徒を観察し、家庭状況を把握し、その生徒に合った支援を考えなくてはいけないので時間がかかりすぎるという話しです。本来であれば、支援をすぐにでも開始しなくてはいけないにもかかわらず、支援が手薄になってしまうという状況があります。
京都府の話しでも、高校の相談フォローが一番難しいとの話しがありました。やはり、年齢が高くなればなるほど、その個別具体的な対応を的確に行うことが大変難しいようです。なぜなら、発達障害に対する対処法が確立されていないからです。
大学病院の専門家にも言われたことですが、当事者に対する対応は試行錯誤で行っている状況です。
年齢が高くなればなるだけ、支援自体が追いついてなく皆無に等しい状況という現状、極めて困難性を伴っています。
そのような中で、都立足立東高校は、当事者の対処法を一部個別具体的な事例集として、教諭間で情報を共有し、しっかりとした支援を行うことを前提とした取り組みを行っています。マニュアル化はしていませんが、情報の共有化としては、神奈川県立田奈高校も同じような取り組みをしています。
私はエビデンスをとり、個別具体的な支援の実例集・マニュアルを作成していくのが良いのではないかと思っています。
このように、発達障害者支援のキーを握る「相談支援ファイル」「移行支援ファイル」については、平成22年度は京都府から全市町に渡したそうです。しかし、活用するところまでは至らなかったそうです。フォルダー形式ですが、大きくて持ち運びがやや難、ということもあり、あまり活用してもらえなかったそうです。
今年度はこの反省を踏まえて、新たな「相談支援ファイル」「移行支援ファイル」を作成するとの話でした。私はこの支援ファイルは持ち運びに便利な母子手帳型にすればよいと思い提案をさせて頂きました(笑)。昔、子ども達が小さい頃は母子手帳に子ども達の成長記録を付けていたので(ページが足りなくなり、何回も紙を補充して糊で貼り付けてあります。お陰様で子ども達の母子手帳はパンパンです(笑))。母子手帳型にすれば、皆さん持ち運ぶと考えます!
また、京都府総合教育センターでは平成23・24年度2年間にわたり、特別支援教育部研究プロジェクトチームを中心に、「通常の学級におけるユニバーサルデザイン授業の研究」をモデル校を決めて行っています。その研究成果として「ユニバーサルデザイン授業~発達障害等のある子どもを含めて、どの子にもわかりやすい授業~」の小冊子および詳細版を作成しています。
今年度は、小中学校の各校長会でこの内容を報告し、各学校での導入を働きかけているそうです。
「授業こそ勝負」
という話しもありました。
発達障害などがある子ども達へわかる授業を展開すれば、それはおのずと、どの子ども達にも分かる、出来る授業へと変わっていきます。
一人ひとりの子ども達の学び方や問題行動に対して、それがなぜそのような言動になるのか、その背景や要因にも目を向ける必要があります。また、その言動を否定的ではなく肯定的に捉えることも重要です(千葉県のびろ学園で実際に私も学ばせて頂きました!)。
一人一人に適切な指導・支援を考える、そのような特別支援教育の視点を取り入れた教育をわたしは足立区から進めていきたいと思っています。