2013年の代表質問で、私は「青年期・成人期の発達障がい特性がある当事者やその家族支援について」政策提案をしました。その結果、区の担当部署の皆様のお力を頂き、今年度の5月から東京電機大学で学生向けのグループ活動として、青年期・成人期の発達障がい者(診断名の付かない学生を含む)を対象とした、発達障がい児・者支援事業が始まりました。
足立区の担当所管は、福祉部障がい福祉センターです。
発達障がいの特性により、友人や教員等との適切な人間関係を築くことができない、就活時の適性判断ができない、したいことや働くイメージがない等の学生がいる中で、発達障がい(診断名の付かない学生も含む)の学生が自己認識を高め、在学中の課題を解決し、卒業後の社会生活に必要な知識・スキルを習得して自分に合った進路・生き方を思考できるようになるための支援事業です。
今年度から、以下の内容で実施されています。
5月~7月…友人との関係づくり
9月~11月…目上の人との関係づくり
大学内(区内1校)で月1回の割合で行われています。
日常的に学生のサポートにあたる教職員に対し、発達障がいに対する正しい理解と対応方法を習得させることや、当事者に対する自己の特性理解の促しと学校生活の中での対人関係や生きづらさの緩和と学業や就職活動に活かすことを目標としています。また、大学中退や引きこもり、二次障がいとしての精神疾患等を予防することを目指しています。
昨年度末までに、区内大学学生相談室を利用している学生を対象としたグループ活動の案をあしすと職員が提案したそうです。
以下がその内容です。
・対人関係の困難さを改善し、社会に出る意識を高めるための学習会
・あしすと専門職と先方の学生相談室の職員によるプログラムの作成・実践
知的障がいうを伴わない発達障がいは目に見えにくい、分かりにくい障がいです。そのため、生活面や学習面において、ある程度カバーできる面がある反面、発達障がいが気づかれにくくなっています。幼少期から青年期にかけて、社会との適応に少なからず障がいがあったとしても、学力には優れ高学歴の人も多い為、当事者だけでなく保護者も障がいを受容しないケースや当事者が障がいに全く無自覚で、多少の生きにくさを感じていても特に困り感をもたないケースもあります。
如何に当事者に発達障がいを自覚させ、未熟なスキルを学ばせていくか。当事者の障がいの程度を家族が受容し、如何に当事者に対する接し方を家族が学んでいくか。
制度の谷間に落ち、生きづらさを抱えている当事者、そしてその当事者を支え、壮絶な経験をし続けている家族に対して、その具体的・効果的な支援を早急に構築する必要性があります。
私は生きづらさを抱えた人たちに対する支援制度を足立区で構築したいと思っています。
悩み苦しむ人たちに手が差し伸べられ、生きる希望が持てる社会をつくり、全ての人にとってやさしい足立区を築いて行きたいと思います。