今日は、民主党区議団の視察報告の最後、札幌市の「生活保護世帯を対象とした就業体験」についてご紹介します。
札幌市では生活保護を受給している人は約193万人います。
札幌市内の生活保護世帯では、仕事に就けない期間が長く続いて働く意欲を失った人を対象としたボランティアを兼ねた就業体験を通して、仕事への関心を持ってもらう自立支援策を行っています。
就業体験の内容は、特別養護老人ホームで認知症の話し相手になったり、知的障碍者施設で利用者と一緒に働いたりして1日2~3時間の週2回程度から初めて、徐々に時間を増やしていくそうです。
本格的な就労が進まずに経済的自立が果たせずに社会的な疎外感を感じて就労意欲もなくなってしまう人や、長期間未就労が続いていたり、働いた経験がないために就職することに不安を持っている人などに対してボランティア活動を体験することによって、生活習慣を見直し、社会とのつながりを結びなおし、社会参加意識を高めてもらうことにもつながっています。
関連事業として、就労ボランティア体験事業交流会で事業参加者、受け入れ施設職員、ケースワーカーとの意見交換会などが実施されていました。
通常の事業交流会では、事業参加者が会の中に入り意見交換などを行うことはめったにないそうですが、参加者からは、
・ボランティア活動を通じて、人から感謝されるようになり自身がついた。
・事業参加者もヘルパー2級を取得したい。
などの声も出ており、就労意欲を高める成果としても効果が高いようです。
このように、生活保護を受給している方々は様々な事情から一般的な就労が困難になっているケースが多くあります。
そのような被保護者の方々が、ボランティア活動を通じて就労に必要な基礎的能力を身に着けることで、社会参加意識と就労意欲を向上し、自立した生活へと送り出すこの事業も成果として高い施策の一つでもあると感じました。
先例としては釧路でも行われており、その事例を参考にされているそうです。
今後も足立区の取組としても、積極的に検討をしてみたいと思います。
最後になりましたが、札幌市の保健福祉局総務部保護指導課の皆様から貴重なお話をお聞きすることができました。
ありがとうございました。