今日は足立区役所庁舎ホールで行われている中学校の教科書展示会に行ってきました。
何と昨年の小学校教科書から、ほとんどの大手教科書会社がカラーユニバーサルデザインに配慮した教科書を作成しています。
今から約4年前、カラーユニバーサルデザインについて
参議院議員 江田五月先生と元衆議院議員 中野寛成先生にお話をしたところ、当時、
文部科学副大臣をされていた笹木竜三先生をご紹介頂きました。そして、
文科省の担当者や教科書会社の皆さんをお呼びして、文部科学副大臣室でカラーユニバーサルデザインについての必要性をお話しする機会を設けて頂きました。
そこで私は、足立区での取り組みの中で、区内の小中学校の先生から直接聞いたお話しや現場の先生の色覚障がいに関する認知度がとても低いこと、学校の先生の研修の中に盛り込まれていても学校内での取り組みがほとんど進んでいないこと、教育分野での取り組みの重要性を何度となく議会で提案をしていても、一自治体では、教育分野での具体的な取り組みには限界があることなどをご説明させて頂きました。
当時、文科省の官僚の方には、その後も何度となく、調査、検討をして頂きました。
各都道府県教育委員会教育長あてに文科省が通知した平成28年度使用教科書採択についての在り方を記した書面には(昨年の平成27年度から同様の通知が各都道府県教育委員会教育長あてに届いています)、
「使用する検定済み教科書であっても、障がいその他の特性の有無にかかわらず児童生徒にとって読みやすいものであることが重要であることから、各教科書発行者において、教科書のユニバーサルデザイン化に向けた取り組みが進められているところである。各採択権者においても、教科書の採択に係る調査研究に当たっては、教科書が障がいその他の特性の有無にかかわらず児童生徒にとって読みやすいものになっているかどうかについても比較検討することが望ましいこと。」と記述されています。
具体例では、
「カラーユニバーサルデザインに関する取り組み
・色覚の特性に配慮した見やすい色を使用する。
・色だけで情報を伝えないよう、グラフなどで線の種類を変えたり、模様を付ける。」
と書かれていました。
色の感じ方は一般の色覚者と色弱者では色の感じ方が大きく違うため、色の名前を用いたコミュニケーションが想定できる授業では、十分な配慮が必要です。例えば、理科の授業では、形や大きさは違いを認識できますが、色の場合には茶色と緑色の区別がつかない、新芽を黄色と誤認したり、実物をいくら観察してもそれが何色なのかを認識できず色名がわからないという困難が生じます。 色を使って、先生から「何色ですか?」と尋ねられると、生徒が戸惑ってしまうという状況もあります。また世界地図に色分けされていても、それを読み取ることができません。主に社会、理科、算数、国語(色分けされた書き順)で色の困難性が生じてしまい、正確な情報が入ってきません。
文科省から各都道府県教育委員会教育長あてに使用教科書の採択の在り方についての項目に掲げて頂いたことで、逆に教科書をつくる側もカラーユニバーサルデザインに配慮した教科書を作成しなくてはいけなくなったことや教科書を採択する側も特段の配慮をしなければいけないという積極的なものになりました。このことは、弱者に配慮することが当たり前の社会を創りだす第一歩になったと思います。
教科書検定は4年ごとになるので、ちょうど遡ってあの話から第1回目の検定時期となりました。小中学校の教科書検定の時期となり、教科書会社の皆様にはカラーユニバーサルデザイン化を徹底して頂き、また文科省も取り組みを採択権者にまで手を広げて頂いたことに深く感謝申し上げます。
私自身これからも、誰に対してもやさしく、読み手に負担をかけさせない情報の発信をさらに目指して、国会議員の皆様や国の関係機関の皆様、そして民間企業の皆様のお力を頂きながら、少しずつこの取り組みをさらに全国に広げていきたいと思います。