今回の勉強会では、私からの提案で「知的障害を伴わない診断名のつかない青年期・成人期の発達障がいについて」の講演会を企画させていただきました。講師は、お馴染みの発達障がい当事者会イイトコサガシの冠地情さんです。
発達障がいは、従来は小学生や中学生などの子供時代の問題として扱われており、成人するにつれてその傾向が薄くなると思われていました。 しかし、現実には青年期や成人期以降にも発達障がいと診断される、もしくは診断名のつかないまま生きづらさを抱えている大人が多くいるという現状が医学の世界で報告されるようになりました。学業においては、健常者よりも優れた成績を収める事例が多く、また、大学生や大学院生までは、自分の生きづらさに対する自己防衛手段を取ることで、表面に浮き彫りされないため、ただ変わっている人、頑固な人、風変わりな人として問題視されずにいる状況が明らかになっています。
このような方々は、学業を終え、社会人として仕事をしたり、結婚をして家庭生活を営む上で、適応できずに、パニック状態を起こしたり、他罰的な言動を繰り返し行うことで、反社会的な問題行動が顕著に出ます。 また成人期まで見過ごされずにいた方々に関しては、2次障害として鬱や人格障害を併発し、より重い状態で生きづらさを抱え孤立しているケースが多くなっています。
今日の講演の中では、当事者でもある冠地情さんからどのようにしたら、社会の枠を変え、最も当事者の方々が生きやすい世の中に変えていけるか、そのキーポイントを教えて頂きました。当事者目線の話しは大変貴重なものです。
今、診断名のつかない発達障がい傾向にある人に対しての相談支援センターはあっても、機能していない状況があります。
東京都の発達障害者支援センターでも言われましたが、ただの相談になってしまい、効果的な支援がないのが現状です。
当事者から得られる声なき声をしっかりと我々議員は受け止め、その効果的な支援策を構築することが求められます。
当事者の方々と一緒に知恵を出し合い、支援の一つとなる療育的な多岐にわたる支援策を先ずは手探り状態であっても、実行し、我々の経験値としてその糧を育てることが解決の糸口になると考えています。
今日の議員研修会で得た知識を各議員が現場に持ち帰り、それぞれがさらに研究をし、各自治体での取り組みにあてはめ、繋げていくことができればと切に願っています。
皆、真剣に話しを聞いていました。興味津々といった感じです!