「エール」という名称は、支援が必要な子どもや保護者等へ「心を一つにして応援する」という意味が込められているそうです。
ここでは、0歳から18歳までの子どもの育ちを切れ目なく支援しています。
福祉と教育(教育委員会・小学校・中学校)が一体となって、日野市在住の本人や子どもの育ちや発達に不安を持つ家族とその関係者を対象に相談支援・発達支援・教育支援・療育支援を行っています。
地域との連携も進めながら「気付く・育てる・見守る・つなぐ」という視点で、自立した生活が営めるよう、将来を見据えた支援を目指しています。
この日野市では、教育分野ではいち早く、明星大学准教授の小貫先生のご指導の下、公立小中学校の学級で特別支援教育を視点としたユニバーサルデザインの教育が進められています。そして、子ども達の発達関係や教育関係の相談・支援を一本化して、子どもの発達や教育に関わる総合相談・支援(分かりやすく・相談しやすい体制づくり)ができる組織が構築されています。福祉と教育が一体となった本人・その家族への総合的な支援では、全国的にも珍しく画期的な取り組みといえます。
この総合支援の枠の中には、保健師・特別支援教育総合コーディネーター・スクールソーシャルワーカー・臨床心理士・言語聴覚士・作業療法士・理学療法士の多様な専門職による対応が行われています。
また、0歳から18歳まで一貫した切れ目のない支援を行うために、個別支援計画シート「かしのきシート」による、継続的な見守りと、この計画シートに基づいて教育と福祉の連続した支援が受けられるようになっています。
以前、埼玉県庁に視察に伺った際にもサポート手帳が作成されていましたが、発達に気がかりな人や発達障害のある人、その家族が使用するものです。
この計画シートを利用することによって、発達障害特性のある人たちが乳幼児期から成人期に至るまで、一貫してよりよい支援を受けたり、様々な生活場面で障害の特性を適切に理解してもらうことに繋がっていきます。
この施設での、支援内容は以下の通りです。
相談事業
・発達相談(一般・専門・医療)、教育相談、こころの電話相談、就学相談、入級転学相談
早期からの適切な支援の実施
・健康課と連携し乳幼児健康事業
※1歳6カ月児健診、3歳児健診に当施設の心理士などを派遣
・児童発達支援事業
巡回相談事業
※幼稚園・保育園・小学校・中学校
本人や家族などへのサポートの充実
・一時預かり事業
・保護者交流事業
・スキルトレーニング(中学生・高校生対象)、ペアレントトレーニング(保護者対象)
日野市での取り組みは生まれた時から18歳までの一貫した内容です。幼少期から思春期に至るまで、特化した取り組みは大変効果があるものだと思います。様々な生活場面で障害の特性を適切に理解してもらい、適切な指導を受けながら成長していくことは、2次障害を防ぐことにも繋がります。
このような先進的な取り組みをお手本にしながら、本日、視察をさせて頂いた内容をしっかりと足立区の施策につなげていきたいと思います。
本日、ご丁寧に対応をしてくださいましたスタッフの皆様、そしてご紹介下さいました日野市議会議員菅原 直志さん、ありがとうございました。