今日は、お昼過ぎに、足立区内にある私立幼稚園に行ってきました。
この幼稚園は、園独自で色覚検査を実施しています。
皆さんの中には、小学校や中学校で、色覚検査をお受けになった方も多くいらっしゃると思います。
左の写真のような図が描かれた冊子を見ながら、何が書かれているかを答えていくものです。
過去、多くの学校で、健康診断の際に行っていました。
しかし、この色覚検査が、平成15年以降、健康診断の項目からはずされました。(必ず行わなければならない項目から外れただけで、必要に応じて行うこと
は可能です)
理由はいろいろあるようですが、検査の結果が出てもそれを十分に生かした対策が取れないこと、周囲の理解が十分でないために、いじめなどの原因になりか
ねないこと等のようです。
以前から、ご紹介していますが、色覚障害(少数派色覚)の方は、統計上の推計では男性で20人にひとり、女性で500人にひとりの割合で、いらっしゃい
ます。
統計上は、40人学級(男子20人、女子20人)だと、クラスに1人の割合でいる可能性があります。
(詳しくは、
昨年12月15日の議会報告の記事、
2
月2日の活動報告の記事、
3
月13日の活動報告の記事参照)
しかし、色覚検査を実施しなくなったために、どの児童・生徒に色覚障害があるかを、学校の先生が把握できないという新たな問題が生じています。
こちらで色覚検査を実施しているのは、30数年前に、この幼稚園を始めた時に、他のお子さんと色使いが違っている子がいたことが、きっかけだったとのこ
とでした。
実際に使用している検査用の本を拝見させて頂いたところ、石原式の検査を行っていました。(まだ、3才位だと、文字もままならないので、絵で答えさせて
いくようです。)
この幼稚園では、年間行事の中に、色覚検査が入っており、該当者には幼稚園でも家庭でも認識しながら、子供の成長を見守られているとのことでした。
また、検査後は、職員の先生方で情報を共有し、そのお子さんには配慮しているとのことでした。
私は「カラーユニバーサルデザイン(CUD)」の観点から、どの児童・生徒に色覚障害があるかどうかは関係なく、全ての人にとって見やすい色使いをする
ことを提案していますが、現状では、まだ理解・対策がとられていないため、やはり個別に配慮することも必要です。
いままで、CUDの考え方は置き去りにされてきたと言えます。
今後、社会全体が全ての人に配慮した色使い(CUD)を取り入れ、色覚障害(少数派色覚)の方も、血液型が人によって違うのと同じように、個性のひとつ
として認識されるよう、私も引き続き、行政分野、教育分野などを中心に取り組んでいきたいと思います。
※本来の正確な色覚検査は、部屋の明るさ、検査標本までの距離など、厳密な環境下で専門知識を持った人により検査が行われます。
この幼稚園では、あくまで園独自で行っている検査であり、色覚障害の疑いのある園児がいた場合には、保護者に連絡の上、医療機関等での正式な検査を勧め
ているとのことです。