西早稲田駅を降りるとすぐにshikAIが地下鉄構内に設置されています。
エレベーター前もshikAIが設置されています。
エスカレーター前や地上駅前も同様にshikAIが設置されています。
周知・啓発ポスターを駅構内で発見。
駅付近は、視覚障がい者の皆様にとって、安心して通行しやすいつくりとなっています。
地図を見ると視覚障がいの皆様が利用する施設が点在しているので、福祉のまちづくりが整備されているようです。
視覚障がいの皆様が利用する施設が点在しています。
地上に出て、周りを見渡すと社会福祉法人 東京ヘレンケラー協会を発見。
駅を降りたすぐの横断歩道には、タッチ式音響式信号機がついています。
西早稲田駅前の明治通りと早稲田通りの十字路に視覚障がい者の歩行支援・高度化PICS(歩行者等支援情報通信システム)が設置されています。
信号機の上を見上げると視覚障がい者の歩行支援・高度化PICS(歩行者等支援情報通信システム)が設置されているのが分かります。
既存のタッチ式音響式信号機とエスコートゾーンの組み合わせの横断歩道です。
図書館の中も点字ブロックが敷設されています。
先ずは図書館の障がい者サービスコーナーへ。
よむべえスマイルです。視覚障がい者の方のための読書器です。コピー機のように印刷物を上において、それを機械が読んでくれます。
拡大鏡。カラーユニバーサルデザインが導入されているので、文字の色を選んで表示してくれます。目から鱗です。
こちらの拡大鏡はミラーだけ。使い勝手が良いのは、やはり上に添付した拡大鏡です。
虹色応援プロジェクトの代表&有志の方と一緒にこども支援センターげんきに伺い、教育相談課長、係長と対談。
不登校支援についての改善策を気づきを持った人たちから声をあげ、是正させていきます。
あったか足立区NEOの会会長&一般社会法人 読み書き配慮の菊田史子さん。
合理的配慮の実践編。
みんなの気持ちが一つになった瞬間です。気づきを持った人たちで改革を進めていきます!
私が先日、代表質問で行った「ユニバーサルデザインの教育」について、執行機関よりご説明を受けました。
何と早速、私の提案趣旨をご理解いただいたことで、小中学校の道徳教育推進教師を対象とした道徳教育研修会において、心のユニバーサルデザインや共助の心についての研修を実施して下さいました。
10月5日㈪に教育指導課 清水指導主事による講義と演習が足立区勤労福祉会館(綾瀬プルミエ:時間14時30分から16時45分)で行われました。特別支援教員を含む小中学校教員121名が参加(小学校69校中学校35校104校すべて網羅)され、平成28年度に作成された足立区版「ユニバーサルデザイン」を教材として活用したそうです。
今後もこのような機会を毎回設けて頂き、継続して全ての区内小・中学校において、共助の心を養う授業が展開できるよう、実施をして頂きたいと思います。
早速のご対応をして頂きました、教育長はじめ教育指導課の執行機関の皆様、本当にありがとうございます。
今日は貴重なお時間を頂き、意見交換・懇談会ができました。
画面の中が一般社団法人 読書配慮 代表 菊田史子さん。はお母さんたちの会「あったか足立区Neoの会」主催で、一般社団法人 読み書き配慮の代表 菊田史子さんと座談会をオンラインで行いました。
「あったか足立区Neoの会」のメンバーで各種委員会に提出した請願書の追加署名を提出しました。
文部科学省 初等中等教育局 特別支援教育課 特別支援教育調査官の田中裕一さん。
一般社団法人 読み書き配慮の代表理事 菊田史子さん。
明星大学 心理学部心理学科 教授 小貫先生は左側。
みんなで集合写真。
日野市立 日野第3小学校の授業を拝見させて頂きました。
日野第3小学 山口校長先生と特別支援教育総合コーディネーター宮崎先生、野田市議会議員 小椋なおきさんとご一緒に記念撮影。
今日は梅田あけぼの学園 加藤先生にお時間を頂き、キャリアコンサルタントの皆様と一緒に発達支援について、議論と今後の方向性を話し合いました。
発達障がいの診断基準を満たさないグレーゾーンと称される子ども達に対する適切な指導が学校現場でなされていないことにも着眼点を置くことが必要です。
発達障がい特性のある子ども達は、周囲のサポートや協力なしでは学校生活を成し得ることができません。学校現場では、発達障がい特性が周囲に理解されないまま普通学級で過ごすことによって、誤解されたり叱られてやる気を無くし、問題児になり、いじめの対象になり不登校になっています。
発達障がい特性のある子ども達が置かれている学校現場、そしてその支援を最大限必要としている親子に対し、現在の足立区の施策では、サポートや支援を本当に必要としている親子に全く行き届いていません。制度があってもその支援に乗れず、制度の谷間に落ち、悩み苦しんでいる方々がたくさんいます。そして、このことからもわかるように足立区の施策はうまく機能していないと言わざるを得ない状況です。
発達障がいやグレーゾーンと称される特性を正しく認識し、多様な問題を抱えた子ども達やその保護者に対するきめ細やかな学校での支援を行うためにも、専門家たちのお力を頂きながらその解決策を練り上げていきたいと思います。
技術力を要しますが、喫緊の課題です。
専門家の皆様と定期的に議論を交わしながら、足立区の新たな支援施策の実現に向けて、その準備を進めていきたいと思います。
超党派の東京若手議員の皆様がお集まりになりました。
ペアレントメンター足立ねっと
ワークの町田さん、日笠さんです。
日笠さんから足立区のペアレント
メンターの活動状況をご報告して
頂きました。
近藤区長と一緒に。
今年度の足立区の事業として、発達障がい児支援事業(2017年度の足立区予算額8062千円)が大きく動きました。
私が発達障がいについて議会で提案したころは、まだこの言葉も薄く、あまりよくわかっていない領域として、足立区の支援施策も乏しい状況でした。
しかし、全国に一人で発達障がい支援事業について視察に行き、毎回のように議会で提案をし、やっとここまでたどり着くことができました。
今年度から「つながる支援」の実現として、以下の3点が実施されます。
<増加する発達支援児への対応>8062千円
相談しやすい窓口を作る 2432千円
0歳児からの発達相談窓口を、障がい福祉センターから子ども支援センター元気に移管し、障がい受容の有無に関わらず相談できる窓口を開設する
途切れない情報の連携を目指す 2578千円
保育所等に在籍する発達支援児の合理的配慮内容を保護者とともに作成する個別支援計画をもとに就学先に伝え、支援の継続を図る。
発達支援委員会の充実を図る 3052千円
医師・心理士・関係職員などで構成する発達支援委員会を開催し、発達支援児の判定、検討された指導内容を在籍園等に助言をする。
増加している発達支援児に適時きめ細やかな対応を(非常勤保育士の配置や児童の障がい状況把握)をするため、委員会開催数を増やす。
平成28年は6回→平成29年は8回
2013年12月13日、2015年10月28日、2016年2月28日。
このように次々と施策が実行され、大変うれしく思います。
しかし、まだまだ制度としては道半ば。
今後も足立区が発達障がい児者への支援制度が最も充実した先進区となるよう、さらに研究をし、議会で政策を進めていきたいと思います。
今回、私の政策提案にご理解をいただき、進めてくださいました執行機関の皆様に感謝申し上げます。
本当にありがとうございます。
千代田区丸の内で講義を聞いてきました。
今日は東京若手議員の会の目黒研修会に参加をしてきました。
場所は中目黒住区センターです。
内容は、発達障害教育を支える「特別支援教室」についてです。今日はその蓄積されたノウハウや課題を学ばせて頂きました。
特別支援教室は、今年度から東京都全域で順次導入されていますが、目黒区ではモデル事業として小学校は平成24年にスタートしており、中学校は平成28年度から29年度の2年間を東京都から「中学校における特別支援教室モデル事業」の指定を受けています(目黒区・葛飾区・日野市・狛江市で実施)。
現在、小学校に関しては、足立区等の他市区は平成28年度から平成30年度までに完全実施することになっています。
対象となる生徒は、通常の学級に在籍する知的発達に遅れの無い発達障害等の生徒です。つまり、自閉症・情緒障がい・学習障がい・または注意欠陥多動性障がいに該当したり、疑いのある以下のような生徒です。
・読み書き計算等の特定の分野だけ困難さがある
・周りが気になって集中できない
・板書を移すのが遅い
・注意をしてもいつも忘れ物をしてしまう
・空気が読めず、人の気持ちがわからない
・感情や行動のコントロールが出来ない
・集団が苦手そうに見える
・不注意な間違いが多い
小学校の「特別支援教室」を全校で行えるようにすることで、今迄は指定された通級のある学校へ親が送迎をしていたのが、同じ学校内で済ませることができることにより、親の送迎の負担がなくなり、交通機関の利用などによる経済的負担も軽減されました。また、児童は在籍学級を抜けることに対する不安も軽減され、通級にかかる移動時間の不要により学習時間を確保することができます。
今後、目黒区が目指すところとして以下が挙げられます。
・特別支援教育の視点による環境整備(掲示物等の簡素化・カーテンなどで見えなくする)
・道徳教育や人権教育の推進をして暖かい関係性を構築する事
・全教員の指導力の向上→特別支援教育の視点を持った教育の育成
目黒区では、「誰もが居心地の良い環境・個性を尊重できる環境」を構築して行くことを目指していますが、現状は、通常学級におけるユニバーサルデザインの教育は学校間によって格差があり、ばらばら感があるそうです。
また、中学校における特別支援教室モデル事業については、平成27年度の校長会の調査によると目黒区立中学校の通常の学級に4.4%116名(全体の人数は2633名)の特別な支援を必要とする生徒が在籍しているという結果が出ました。しかし、実際に通級指導学級で支援を受けているのは0.45%12名となっているそうです。
中学校での指導内容は、自立活動と教科の補充に力を入れているそうです。
自立活動…社会性の獲得、感覚・認知の偏りや未発達さの改善を図る学習を行う
教科の補充…読み・書き・計算等の中の特別な困難さに着目して、通常の学級でも生かせる学習方法を学ぶ
中学校での課題としては、
・思春期で多感な時期
・進路を見据えた指導
・教科担任制
・不登校に対する対応
・理解啓発のむずかしさ
課題解決に向けた取り組みとして、
・連携できるツールの開発
・理解啓発に向けた研修や授業等の実施
・利用までの流れの在り方
・巡回指導教員の専門性の向上
今後さらに教員・保護者・生徒への啓発を行っていくそうです。
既に日野市が先行実施をしていますが、葛飾区や狛江市でも行われているとのことでした。
今後、これらの自治体にも伺い、視察をしていきたいと思います。
齋藤里依さんを囲んで、みんなで記念撮影!
市民科のテキストです。
小学5年生の市民科授業を参観させて頂きました。
御殿山小学校前で校長先生も含めて皆で記念撮影。
2016年度の資源とごみの分け方・出し方の冊子です。カラーユニバーサルデザインが導入されています。
少数派の色弱者の方は赤字は黒字に見えてしまうため、赤を朱赤にします。また、アンダーラインを引くことで、その部分を強調させます。
色と色の間は白枠を使ってメリハリをつけています。
今日は東京都議会議事堂2階第二会議室で、東京都各局予算担当課長による平成28年度東京都予算案説明会が行われました。
東京都では、4年後の2020年、東京で2度目のオリンピック・パラリンピック大会に向け「誰もが幸せを実感でき、誰もが住み続けたい、世界一のグローバル都市」の実現を目標として掲げています。東京で暮らし、働くすべての人々がその能力を最大限に発揮できる環境を整備するために、地域において共に生活することを主眼に置いていた従来の多文化共生の考え方をさらに発展させた都市を目指すそうです。以下、概要です。
<都予算案概要>
一般会計予算6兆9785億/特別会計予算4兆4379億/公営企業会計予算2兆1650億
<主な新規事業>
東京オリンピック・パラリンピック競技大会への取り組み/正規雇用等転換促進助成/働き方改革の推進/雇用環境整備推進/女性の活躍推進等職場環境整備/子どもの居場所創設/共生社会実現に向けた障害者理解促進/暮らしの場における看取り支援/東京都介護職員宿舎借り上げ支援/福祉の仕事イメージアップキャンペーン/創業支援拠点の設置・運営や中小企業活力向上プロジェクト/金融機関と連携した海外展開支援/都市農業活性化支援/展示会・イベント誘致・開催支援/外国人旅行者受入に係るサービス向上支援等
また、来年度の教育の予算案の中で、私が常日頃から政策提言している発達障がい者支援施策について、東京都が予算付けをされました。
内容は以下の通りです。
《特別支援教育の推進》340億円
障がいのある児童・生徒一人ひとりの教育ニーズに応えるため、指導内容・方法の充実を図るなど、小・中学校や高校における支援体制を充実するほか、中学校における特別支援教育の導入に向けたモデル事業を実施するなど、特別支援教育を推進し、社会的自立を支援するとともに、地域の一員として生きていく力を培う。
☆発達障がい教育の指導内容・方法の充実
・アセスメントマニュアルの作成 新規
・専門家・関係機関と連携した支援方法の研究・開発 新規など
☆特別支援教室モデル事業 新規
☆特別支援教育に伴う施設整備
今後、各自治体間でどのようにこの内容を進めていくのか調査をしながら、足立区の中で、小・中・高校生に対する有効な発達障がい者支援施策をさらに前に進めていきたいと思います。
本庁舎区役所内でユニバーサルデザインの展示場が設置されました。
電通ホールでUCDAアワードが表彰されました!先ずは基調講演から(笑)。
10月19日に区役所本庁舎で「ユニバーサルデザインのまちづくり」講演会が開催されました。
足立区では、障がいの有無や年齢、性別、国籍に関わらず、全ての人が自由に移動し、活動し、参画し、選択や決定が可能な「ユニバーサルデザイン」の理念に基づいたまちづくりの取り組みを進める為、2012年12月1日に「足立区ユニバーサルデザインのまちづくり条例」が施行されました。
今回、区職員をはじめ、区民、事業者の皆様のユニバーサルデザインの理解を深めてもらうために、講演会が開催されました。2012年12月から既に3回行われており、今回で4回目となります。以前まではユニバーサルデザインとは?という大まかな内容でしたが、今回からは、先進的に取り組みを行っている自治体から講師をお呼びし、区の取り組みについてもご紹介をされました。
足立区でも政策経営部のシティープロモーション課でご活躍の舟橋課長(民間から来られたプロの方)の講演もありました。テーマは、「ユニバーサルデザインの視点での広報物の見せ方について」。大変勉強になる中身の濃いものでした。他自治体からは、世田谷区都市整備部都市デザイン課都市デザイン担当係長 岡嵜均氏と練馬区都市整備建築課福祉のまちづくり係長 三谷千線氏、公益社団法人練馬区環境まちづくり公社練馬区まちづくりセンター 山口忠志氏が講師として招かれました。
テーマは、世田谷区は「専門家や当事者と共にユニバーサルデザインで施設をつくる~世田谷区内の商業施設での触知案内板の設置を事例として~」
練馬区からは「区民と共に取組む区民主体の福祉のまちづくり 人と街をつなぐ区民主体の福祉のまちづくり」
公益社団法人練馬区環境まちづくり公社練馬区まちづくりセンター「人と街をつなぐ区民主体の福祉のまちづくり」でした。
対象者は区民、区議会議員、事業者、区職員(22区にも案内を送信)でした。PRの方法としては、区のホームページ、あだち広報9/10号、ツイッタ―、フェイスブック等でされたそうです。
参加者は区職員268名、他区からは27名、関係者4名、区民など12名の合計311名でした。
アンケート回収は294件だったそうです。約72%(213名)が満足・やや満足との回答を頂いたそうです。
アンケートの主な意見:
・実際に担当した方の話は分かりやすかった。
・区民一体となって、街づくりを進めている世田谷区、練馬区は素晴らしいと感じた。
・練馬区の意見聴収は参考になった。
・練馬区の失敗談、写真を見せて頂き、とても参考になった。
・今後、利用者の立場に立って環境を整えていきたいと思う。
・3自治体の内容が異なり、最後まで集中して聴くことができた。他区の取り組みを聞き参考になった。
・小学生からのUDの教育はとても大事だと分かった。
・足立区は広報物の改善に機敏に取り組んでいると改めて感じた。
・UDに関連する部署は少ないと思っていたが、全ての部課が関わることが分かった。
等など…
今後、他区の取り組みをお手本としながら、普及・啓発・情報発信の仕方も含めて、ユニバーサルデザインんが全庁的に行われ、より大きなものにしていけるよう、さらに頑張って頂きたいと思います。私もさらに研究をしながら政策提案へとつなげて、全ての人にとってやさしい足立区を築いていきたいと思います。
※2015年12月に記述しています。
区役所本庁舎で展示されています。
参議院議員 元法務大臣 江田五月先生とご一緒に。カラーユニバーサルデザインの時には、大変ご尽力を頂きました。教科書会社に働きかけをして下さり、私も教科書会社に要望を直に入れさせていただきました。以来、大手の教科書会社ではカラーユニバーサルデザインが導入されています。
参議院議員 前国土交通大臣 羽田雄一郎先生と。いつも温かく接して頂き、本当にありがとうございます。ステキなお兄様です!
衆議員議員 前国務大臣 松原仁先生です。満面の笑みでお出迎えを頂きました。松原仁先生の人柄の良さが出ています(笑)!
私が2期8年、政策提案し続けているカラーユニバーサルデザインのこれまでの取り組みを全てまとめました。
現在では、区長をはじめ、職員の皆様がこのカラーユニバーサルデザインに取り組んでいただき、職員・教員を対象とした研修会や、日暮里・舎人ライ ナーの駅の案内表示、足立区の広報、ゴミ分別マップなどに、このカラーユニバーサルデザインの考え方が導入され、一昨年の第3回足立区議会定例会では、「足立区ユニバーサルデザインのまちづくり条例」が全会一致で可決されました。実際に形となって、取り組みを進めていただ いています。
私が提案した主旨をご理解いただき、取り組みを進めてくださっていることに感謝いたしますとともに、今後とも、カラーユニバーサルデザインに配慮するこ とが当たり前のようになるまで、さらに進めて頂きたいと思います。
これからもユニバーサルデザインを導入した行政や街づくりを積極的に推し進め、「みんなにやさしい・誰にでもやさしい足立区」をさらに構築していきたいと思います。
今日は、千葉県庁に視察に行ってきました。
千葉県では「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」が平成19年7月1日から施行されています。
この条例は、行政や事業主、団体、個人など、さまざまな立場の方が力を合わせ、障害のある人の日々の生活や社会参加を妨げている、建物や施設、制度などハード・ソフトの障壁(バリア)や、誤解や偏見による不利益な取扱いをなくし、誰もが暮らしやすい社会づくりを進めるため制定されたものです。
このような取り組みを進めるため、この条例では
・障害のある方に障害を理由として他の人と異なる不利益な取扱いをしないこと
・障害のある方の社会参加を阻む障壁(バリア)を解消することを県民共通の目標(なくすべき差別)として何が差別に当たるのかを具体的に掲げ
このような差別をなくすための3つの仕組みを定めています。
障害者差別をなくすための3つの仕組み
1.相談解決の仕組み
障害のある人の暮らしのなかの差別に関わる様々な問題について、県内約620人の地域相談員や広域専門指導員16人が相談に応じています。地域の相談で解決の難しい事案については、県に設置された「障害のある人の相談に関する調整委員会」が第三者的な立場で当事者の間に入り、双方の事情を確認し双方に対して助言と調整をし、問題解決を図っているそうです。
実績としては平成24年度の内容によれば、前年度から継続した事案を含めた総計225件についていえば、225件中205件91.1%終結済み。活動回数は延べ2481回。1件当たり平均活動回数12.1回だったそうです。
2.誰もが暮らしやすい社会づくりを議論する仕組み
障害のある方に対する差別には、例えば、店舗等の駐車スペースへの駐車マナーの問題や医療機関における盲導犬の同伴の問題、目や耳の不自由な方に情報提供する場合の配慮など、構造的に生じているものもあるそうです。
このような課題について議論する場として、「推進会議」を設置し、障害当事者や支援者のほか、福祉サービス、医療、教育、雇用、公共交通、不動産取引、情報提供等の事業者、大学教授等の学識者、県職員など各界の代表者33名で構成し、課題の解消に向けた取組みを提案、実行し、誰もが暮らしやすい社会づくりを幅広い県民運動として展開しています。
3.障害のある方に優しい取組みを応援する仕組み
障害のある人に対する差別を解消していくために、理解者を増やしていくことが重要です。障害のある人にやさしい取り組みを実践している事業主や、団体個人等の取組みを広く県民に紹介するなど、障害のある方の理解を広げるために頑張っている企業・団体を応援し普及啓発活動をしています。
千葉県では、この3つの取組みの中で、誰もが暮らしやすい社会づくりを議論する仕組みを実践する中で、施策提案型事業を行っています。
地域で活動する団体から、障害のある人に対する理解を深め、障がいのある人の地域での暮らしに役立つような活動を募集し、県がその活動に対して補助を行うことにより活動を奨励する取り組みです。
具体例は以下の通りです。
・地域の医師会で、障害に対する知識や必要な配慮をまとめた小冊子を作成し、地域の医療機関に配布・活用。
・自閉症児の診療の際の留意事項などについて医療関係者に理解を促すセミナーの開催やリーフレットの配布。
・市民グループが街のバリアフリーマップを手作りで作成。
・スーパーで知的障害者がスムーズに買い物が出来る様「接客ガイド」を作成し、接客方法や売り場の配置を改善。
昨年の夏に行われた早稲田大学で開催された自閉症カンファレンスで、衝撃的な話があったことを思い出しました。自閉症カンファレンスで講演をされていた障害者の保護者の方から、本人が病気などをした場合にその障害特性を理解するお医者様がなかなかいないため、本人が病院でパニックを起こしてしまう場合には、診て頂ける病院がないため、病院で診断・治療をしていただくこと自体に困難性が生じるそうです。しかも、それを述べられている保護者自身がお医者様で、医者の間で改善策を話し合っても毎回話をすり替えられてしまい、話が進まないと嘆いておられていました。
ノーマライゼーション(障害者と健常者とは、お互いが特別に区別されることなく、社会生活を共にするのが本来の望ましい姿)の広まりとともに、障害のある方が地域で暮らすための環境整備や福祉サービスが充実してきたかのように思われていますが、誤解や偏見により、障害を理由に不利な扱いを受けたり、障害に対する配慮が十分でないために日常生活の様々な場面で暮らしにくさを感じているようです。
今回、千葉県の「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」が施行されたことにより、障害者の皆様の様々な生活場面での暮らしにくさ、困難性の垣根が少しずつではありますが軽減している、将来に渡って軽減していくのではないかと思った次第です。足立区でも平成24年12月1日に「足立区ユニバーサルデザインのまちづくり条例」が施行されています。足立区では、今、やっと走り出したところですが、足立区でもこの取り組みをさらに拡充させ、より実効性を持つものにするためにも、さらに政策提案をし、中身がより充実したものとなるよう、働きかけを今後もさらに強力にしていかなくてはいけないと感じています。
今日の視察内容を足立区の取り組みに、ぜひ生かしていきたいと思います。
本日は大変貴重なお時間をいただき、また、ご丁寧にご説明をしてくださいました担当職員の皆様、本当にありがとうございました
「あだち防災マップ&ガイド」と防災啓発マグネットシートです。
防災マップは地域ごとに分けられており、地図も以前より拡大され見やすくなっています。
今日は第3回足立区ユニバーサルデザイン推進会議を傍聴してきました。
ユニバーサルデザイン推進会議は、初回が5月23日、第2回が9月3日、本日11月1日が第3回目となります。
既に平成21年度から庁内に「ユニバーサルデザイン対応検討部会(まちづくり推進会議の下部組織)」が設立されており、足立区のユニバーサルデザインについて具体的な検討がなされています。平成22年度には、ユニバーサルデザインの基本的な取り組みの柱として「ひとづくり」「まちづくり」「情報発信」「推進の仕組み」の4つの方向性を明らかにして、庁内における事業項目に関する調査が実施されました。
これらの取り組みを継続する中で、平成23年にはまちづくりの基礎となる「まちづくり推進条例」にユニバーサルデザインの理念を加えて「ユニバーサルデザインのまちづくり条例」が、昨年の第3回足立区議会定例会で全会一致で可決されました。
そのような取り組みの中で、現在このユニバーサルデザイン推進会議では、活発な議論が交わされています。
様々な議論からより発展した推進計画が練られるよう、期待したいと思います。傍聴していると、私が今まで議会で提案した内容が議論されていることが多々あり、聞いていて大変面白いです。
私も引き続き、誰にでも優しい・思いやりと心遣い溢れる足立区を目指して、さらにパワーアップした政策提言をしていきたいと思います。
「笹目小子ども教育宣言」。教員、保護者に対して発信しています。
体育館でこのパネルを使用した、視覚に訴える授業を行っています。
このパネルは取り外し可能です。
これは国語の授業で使用したもの。教室の中の掲示物は分かりやすい内容で作られています。授業でも使用され、振り返りにも役立っているそうです。
トイレです。下に写真が貼ってあり、スリッパの整理整頓がすぐにできるように工夫されています。
今日は上沼田小学校の視察を後にして、午後から埼玉県戸田市立笹目小学校で行われているユニバーサルデザインを基盤とした学校づくりの視察をしてきました。笹目小学校は開校140周年の歴史ある学校で、3世代にもわたる人たちがこの学び舎で過ごされているとお聞きしました。
笹目小学校は、以前、私が参加をした筑波大学附属小学校で行われた授業のユニバーサルデザイン研究会で校内研究として発表をされている学校です。
毎月1回筑波大学附属小学校で行われているユニバーサルデザイン研究会の定例会にも参加をしているそうです。この研究会には、公立小学校の教員の皆さんが100名ほど集まり、そこで熱心にユニバーサルデザインの教育について議論を交わしているそうです。
笹目小学校は昔から地域的な特色のある学校で、一人親や外国籍の子供が多く住んでいるそうです。勉強を教えても、「どうせわからない。できない。」と最初から言う子ども達が多く、学習意欲も低く自己肯定感が低いお子さん達が多数いたそうです。平成20年に一番子供たちがとっかかりやすい、またどのような先生が教えても学びやすい体育の研究から始めたそうです。体育の授業に「わかる・できる」授業を試みて、子ども達の成功体験を少しずつ与える取り組みを始めたそうです。
そのような過程の中で、今の現小学校長が赴任され、校長先生もユニバーサルデザインの教育の視点をお持ちで、今までこの学校の心ある先生方が行ってきた考え方と校長先生との目指す方向性がぴったりとあてはまったそうです。
特別支援教育の視点を持ったユニバーサルデザインの教育の考え方を取り入れ授業改善を図ることは、どの子どもにもわかる授業を目指すことに繋がると教頭先生はじめ、担当の先生が熱くおっしゃっていました。
授業とは基本的には通常の学級における各教科などの授業を念頭に置いて一斉型の授業が展開されるため、個別化が難しい状況ではありますが、その中でどの子どもにも分かる授業の実践を高めていくことが重要であるとのお話しでした。
ここ近年、インクルーシブ教育の取り組みが着目され、可能な限り、障害のある子どもとない子どもが共に学ぶことを指向し、それぞれの子どもに合った指導を提供し、どの子ども達も満足感や達成感を味わうことができる授業を行うことが重要と言われています。このようにユニバーサルデザインの教育を進めていくことは、結果として「どの子どもにも分かることを目指すこと」とインクルーシブ教育の視点がイコールとなるものです。
この環境を整備するにあたっては、学校などの施設や設備に関することのほか、教員配置や教員研修、自治体における教育指導システム、教育課程の基準などが検討され、制度や予算によっても設定されるものと思われがちですが、ユニバーサルデザインの教育は教員等の意識や練度、校内の支援体制、研修システムなどの如何によって条件整備が可能であるとのお話しでもありました。
「教師は授業で勝負をする」
校長先生もこの指針でこのユニバーサルデザインの教育を強力に推進しています。
授業以外にも環境整備や学級づくりを始めとした各種の取り組みとして、保護者も含めた教育相談体制の充実や厳しい状況下にある子どもや保護者に対して少しでも寄り添う支援を行って行きたいとのお話しでもありました。また、笹目小学校では、教員自身の振り返り用の「ユニバーサルデザインチェックシート」を行ったり、「笹目小学校子ども教育宣言」等の取り組みなどを教員・保護者に強く発信されています。
このような多角的な取り組みを学校全体で推進することで、先生方の意識がユニバーサルデザインというキーワードを持って同じ方向性、目指すビジョンがはっきりとしてくるそうです。
この取り組みを行って3年目となるそうですが、学校の成果としては戸田市内12校ある小学校の中で「授業がわかり、興味・関心や意欲を持って取り組んでいる児童生徒の割合」調査で、今年の6月の調査結果では、その数値が市内でもトップクラスであったそうです。
また、全国学習状況調査名の結果では、関心意欲調査の向上に併せて、徐々に向上し、今年度は全国平均を上回ったそうです。
教師の授業づくりや学級づくりに力を入れた成果がまさにここに表れています。
授業内容のレベルを低く設定するのではなく、教科学習として高いレベルを指向しながらも、どの子ども達にも満足させる授業を展開することが重要だとおっしゃってました。
この笹目小学校のユニバーサルデザインの取り組みについては、私が日頃からお世話になっている明星大学人文学部心理学科准教授の小貫悟先生がご指導に入られていました。小貫先生は日野市の取り組みについても尽力されている方です。
今回、この笹目小学校のユニバーサルデザインの授業の取り組みを拝見させていただき、通常学級に多く在籍している発達障害の特性を含め、何かしらの配慮を要する子ども達に対して分かりやすい指導を受けさせ合理的配慮を心掛けることは、結果として全ての子ども達にとっても分かりやすい授業になるという視点を再確認させていただきました。私は足立区からこの取り組みを足立区の子ども達の実態に合わせたものに調整をし、さらに研究を進めながら構築していきたいと思います。
学習環境を整え、児童が安心して過ごせる学級づくりを強力に進めることこそが、未来ある子ども達にとって担税力ある人材として育ってくことに繋がると私は確信しています。
本日はお忙しい中、ご丁寧に対応をして下さった田島教頭先生はじめ、このユニバーサルデザインの教育を強力に推進し、構築された実力ある山下先生、そしてたくさんの資料を提供して下さいました青柳校長先生に感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
今日は午前、午後と視察に行きました。
最初は、足立区上沼田小学校の通級指導学級(情緒等)についての視察です。
通級指導学級に通っている児童たちの指導内容について、授業の見学と校長先生はじめ担当の先生方から具体的なお話しをお聞きしてきました。
この通級指導学級は、現在、足立区では上沼田小学校だけでなく、足立区小学校全70校に対して辰沼小学校、保木間小学校と3校が行っています。
この上沼田小学校に通っている児童は計53名(内 男子49名・女子4名)。
公立小学校に在籍している児童が対象で、知的な障害はなく、下記のような様々な行動特性のある子ども達が各学級において不適応を示し、通っています。
・同学年の友達と人間関係を築くのが苦手。
・初めて体験することや、いつもと違う環境に強い不安を示す。
・授業中に立ち歩くなど落ち着きがない。
・まわりのちょっとしたことに気を取られ、授業に集中することが難しい。
・興味・関心の偏りが強く周囲から異質に見られがち。
・集団行動が苦手で、集団から外れてしまうことが多い。
・細かな手先の作業や全身運動が極端に苦手。
・身の回りの整理整頓が苦手。
・特定の強化や一部の学習での躓きが大きく目立つ。
・不安感が強く、登校しぶりが見られる。
・自分の気持ちを言葉で表現したり、伝えたりすることが苦手。
・場面緘黙や神経症の習癖(チック・極端な指しゃぶり等)が見られる。
上記のような状態が見られなくても、通級指導が必要と感じられる場合には適宜、相談に応じるそうです。
この通級指導学級に通う児童は、現在通っている学校に学籍を置いたまま、決められた曜日にコミュニケーション教室に通い、学習をしています。通級した日には、在籍校の出席扱いとなります。
ここでの指導の重点は、情緒の安定を図り、人との関わり方や態度を身に付けさせ、集団への適応能力の育成を図ることです。また、言語による意思の伝達、コミュニケーション能力の向上も図ります。様々な活動を通して、感覚的機能、判断力、手指の構築性を向上させ、学習の基本的な能力の向上を促すそうです。また、基本的生活習慣(挨拶・衛生・安全・身だしなみ・後片付け)を身に付けさせます。
実際の授業では、小集団活動を通じて、集団適応能力の向上やコミュニケーション能力の向上を目指していくプログラムになっています。子ども達7人に対して7人の先生方が児童をフォローしていました。また、メインの先生が一人いて他6人の先生方が児童一人ひとりをきめ細やかにフォローしている状況でもありました。指導後には担任全員が話し合いを行い、一日の反省や今後の指導の方針、さらによりよい学習計画について考えているそうです。
拝見させていただいた授業の後には、個別学習が設けられていましたが、個別指導は個人的な領域に深く入るため、見学をすることは出来ませんでした。
個別学習では、担当の先生と児童が1対1(場合によっては1対2もしくはグループ)で関わり、実態に合わせて自信と意欲を高めるよう支援をしていくそうです。
個別学習の狙いは以下の4点に集約をされています。
1.児童の実態を踏まえ、個々の興味・関心を考慮し、その子に合った教材を適宜用意して達成感・満足感を味わわせ自身につなげる。
2.児童の実態を的確に把握したうえで、ここに合った課題を設定し、個別に指導をすることにより「聞く」「見る」「書く」「(指先で)操作する」「(道具を)扱う」「聞きながら○○を行う」「見ながら○○をする」といった力を高める。
3.児童の話に耳を傾け、今、考えていること、困っていることを良く聞いて相談に乗り、適切なアドバイスをして情緒の安定を図る。
4.強化の補充学習では、基礎学力の定着を図り、勉強に対して苦手意識を持っている児童が自信と意欲を持って高めることが出来る様支援をする。学習内容は個々によって異なるが、スモールステップで進めていく。
また年に2回親子体験学習を行っていて、親と子が一緒に活動し触れ合いながら楽しい時間を過ごせるように、その日に集まった親同士が交流する場を設けているそうです。それぞれの親が抱えている悩みを話すことで困り感を共有できる場を提供しているそうです。
ここでは、保護者、在籍校の担任向けに保護者会や在籍校担任連絡会を開催して、大学の先生や専門機関の先生の話を聞く機会を設けています。連絡ファイルや教室便りなどを通じてこまめに連絡を取り合い、児童についての共通理解を図り、状態の改善に努力しているそうです。
この通級学級に通っている子供たちは、何かしらの困り感を抱えています。それは発達障害の特性であったりと様々です。現在、文科省の試算では、通常学級の中に知的障害を伴わない発達障害傾向のある子ども達が約6.5%学級の中にいます。この発達障害は先天的な障害ではありますが、外見的には見えにくい、わかりにくい障害です。その為、必ずしも幼少期の時に障害に気付くとは限りません。小学校に通うようになってから、その特性が誘引され、抑うつ・不安状態などから不登校につながり、何かしらの不適応状態が学校生活の中で顕著に出るようになります。中には、この通級指導に乗らない隠れたグレーゾーンの児童もいます。そしてその子供たちの状態が悪化し不登校になってから、やっと通級指導に乗るという子ども達を現に私は地元の小学校でも見てきました。
これまで、発達障害は社会的な整備が乏しかったために、個々に合わせた適切な対応や支援が未整備のままでした。現場でも親と子が心を共有できないという悩みが増えています。学校支援の在り方が今後問われている状況との話を専門機関からも伺っています。
まだこの通級指導に上がってくる子供たちは救われると私は確信しています。
しかし、この支援に乗らない子ども達をどのように支援していくのか。
通常学級の中にいるグレーゾーンの子ども達に対しての的確な対応と支援を行うためには、教員それぞれの意識を向上させ、どのクラスにも困り感を持った子供たちが必ず存在することから認識を共有し理解を深めなくていかなくてはいけません。その子供たちに対する十分な理解と支援を行うためには、発達障害という特性を正しい理解で知ること、その個人の特性に合った支援を的確に行うこと、現場力を高めることが求められます。
各学年の年齢によって発達障害の特性の出方は変わってきます。
低学年のうちは学習のむずかしさや多動性や衝動性が顕著に出ていても、高学年になると多動性や衝動性は目立たなくなり、こだわりやコミュニケーション障害による生活のしづらさやトラブルの面が顕著に出てきます。
そのような特性を持ち合わせている子供たちに対して、どのように対応し、どのようにその状況を改善させていくのか、その対応を的確に学校が通常学級の中で行えば2次的な症状(抑うつ症状・対人恐怖・集団恐怖など)を早期に予防することができます。
この通級指導学級の支援方法は通常学級にいるグレーゾーンの児童たちにも拡充して行うべきであり、特別支援教育を視点に入れたユニバーサルデザインの教育に落とし込むべき内容でもあると私は考えます。
視察1日目は3か所の視察を行いました。
鳥取県立精神保健福祉センターで鳥取県福祉保健部参事監 鳥取県立精神保健福祉センター所長 医学博士の原田豊先生との面会を後にして、鳥取市にある鳥取青少年ピアサポートの視察を行い、午後からは鳥取県庁に発達障害者支援施策の視察に伺いました。
鳥取県では、誰もが暮らしやすい地域社会(共生社会)を実現するため、様々な障害特性を持っている人が抱えている困り感や、それぞれに必要な配慮を理解し、日常生活でちょっとした配慮を県民が心掛けるよう促していく「あいサポーター」運動を行っています。
「あいサポートバッジ」「障がい特性や必要な配慮などをまとめたパンフレット」を受け取り、研修会や講演会、イベントなどで「あいサポート運動」の説明を受けることで、意欲のある人は誰でも「あいサポーター」になれます。
この「あいサポート」運動は、平成21年11月に鳥取県で創設し、平成23年4月からは島根県と広島県、平成25年度からは長野県・奈良県と4県が連携し、取り組みを進めています。また、銀行や生命保険業など518企業・団体を認定し、この運動を広く従業員を対象として強化されているそうです。
また、ペアレントメンター※鳥取というものが設立されています。
ペアレントメンターとは、自閉症など発達障害のある子どもを育てる先輩の親で、親の相談役となる人のことです。同じような子どもを育ててきた経験や知識や地域の情報を生かして相談相手や地域機関との連携役になります。日本自閉症協会が2005年度から養成を続け現在は自治体がその役割を担い始めるようになりました。
相談技術の基礎、実技、国の施策などを体系的に学ぶ養成講座が実施され、修了後は専門機関のバックアップを得ながら親の会や支援団体などをベース
に活躍しています。厚生労働省はペアレント・メンターの養成を今後の発達障害 支援推進策の一つに明記し、相談技術をもった家族は大事な資源と位置づけているそうです。
※mentorメンター…「信頼のおける相談相手」という意味。
鳥取県は、平成22年度にペアレントメンターを養成し始め、鳥取県自閉症協会が事務局内に「ペアレントメンター鳥取」事務局を設置し、55名のペアレンターが登録されたそうです。平成23年度には、鳥取県がペアレントメンター運営委員会を設置し、開催業務を鳥取県自閉症協会に委託をしたそうです。
「ペアレントメンター鳥取」では、以下の具体的な活動を行っています。
・来所・訪問の個別相談…同一相談者からは、電話相談をし続けるのではなく、出来るだけ直接会って話してもらうよう心掛けているため、戸別の訪問相談が増えているそうです。
・電話・メール相談
・保護者勉強会やピアカウンセリングへの参加
・理解啓発活動(キャラバン公演等)
・ペアレントトレーニングへの協力
・サポートブック作成指導
・発達障害に関する情報提供等
このペアレントメンターを行うことにより、発達障害のある子どもの家族など同じような境遇にあるもの同士が、同じ親として話を聞くことで、ともに相談者も共感し、地域の情報を提供してもらえるなど、相談者にとって大きな支えとなるそうです。
また、この制度の中では理解啓発活動として、キャラバン公演を行っています。依頼は月1回以上あるそうです。1回につき5人前後のペアレントメンターで行うようにしているそうです。これは、学校や地域の人権研修会などで発達障害を知りたいと思っている人たちを対象にしたものです。内容は、発達障害の人たちの感じ方、見え方、聞こえ方、手先の不器用さなどを参加者の方に模擬体験をしてもらい発達障害特性やどうしてこのようなことをするのか、どのように当事者に接すればよいのか等、その特性を持った人に対する関わり方のコツをパワーポイントなどでレクチャーするそうです。寸劇、クイズ、疑似体験などによる発達障害特性を理解したり、子育ての体験を伝えたりしています。
発達障害の特性があるがゆえに、本人のやっていることが奇異に見えてしまうことも多々あります。しかし、それは当事者なりの理屈があってやっていることです。当事者がこんな気持ちなのか、このように接してほしいのかと参加者の皆さんに体験をしてもらえるような仕掛けがしてあるそうです。
ペアレントメンター制度の今後の課題は、以下の通りでした。
・ペアレントメンターは専門家ではなく、保護者であるため、利用者が過度な期待を持ちすぎてしまう。
・共感的寄り添いができる相談支援技術の維持・向上を図る研修が必要。
・各圏域での活動が充実するために、ペアレントメンターの新たな要請が必要。
・活動体制の構築、活動経費の補助等、行政のバックアップが必要。
今後の取り組みとしては、
・ペアレントメンターの活動内容について、理解、啓発チラシなどによる一層の周知を図る。
・ペアレントメンター事務局でスキルアップ研修を主催できるよう、発達障害者支援センターのバックアップ体制を図る。
・活動可能なペアレントメンターの少ない圏域を対象に、ペアレントメンター養成を行う。
・ペアレントメンターが安心・安全に活動が出来る様、県としてペアレントコディネーター配置や相談にかかる補助など、バックアップ体制の拡充を継続して行う。
・ペアレントメンターが診断を受けた保護者にすぐに寄り添えるように、臨床心理士などと共に病院に待機し、相談者が希望すればすぐに相談に乗ることが出来る体制をモデル的に実施する。
この幼少期の発達障害支援においては、保護者支援が特に重要なテーマとなっています。当事者の障害特性などが理解されにくいことによる悩みや孤立感など、支える側の家族が疲弊していく状況が顕著にみられます。その為にも、同じ保護者であるメリットを生かしたアプローチや支援が必要です。この鳥取県で行っているペアレントメンター制度は発達障害特性の子を持つ親に対する支援として、充実させていました。更なる構築を図るとのお話しでもあり、大変期待できる取り組み事例の一つでもあります。
私はこれを成人期の発達障害者支援に置き換えて制度を構築できないのか、この制度を活用し拡充すれば成人期の発達障害者支援にまでつなげることができるのではないかと考えています。
次に、鳥取県庁では、「子どもの心の診療ネットワーク整備事業」が構築されていました。
発達障害や児童虐待、引きこもり等、様々な子どもの心の問題に対する支援ネットワークを構築することを目的としたモデル事業を、鳥取大学医学部附属病院を子どもの心の診療拠点病院として平成20年から実施しているそうです。また地域医療従事者への研修や発達障害等の理解や支援のあり方を広めるためのフォーラムも開催しています。この事業の大まかな概略は以下の通りです。
1.子どもの心の診療ネットワーク事業
ネットワーク会議
・各圏域の小児科医、精神科医の代表者と子どもの心に関する医療機関の連携の在り方について検討。
・医療と福祉、保健、教育等の各分野との連携のあり方について協議。
テーマ別ワーキング
・各地区小児科医会の協力により、小児科医、精神科医合同で子どもの心の理解に関する勉強会を開催して理解を深める。
2.子どもの心を支えるスタッフスキルアップ事業
子どもの心を支える診療医等スキルアップ研修
・ 拠点病院医師が先進地研修に出向くことで拠点病院医師のスキルアップにつながる取り組み
・子どもの心の診療と支援に関する医学講座
・医療と福祉の連携を図る症例検討会
子どもの心を支える支援者スキルアップ研修
・児童福祉施設心理職員研修への臨床心理士等派遣
・福祉保健教育等子どもの心の問題に関わる支援者に対する専門研修会
3.子どもの心に関する理解啓発事業
理解啓発講演会
・県民に対して子どもの心の問題に対する理解を深めるための講演会を開催(年1回)
受診時支援ツール等の開発
・受診時の支援となるツールの見直し及び開発を行う。
情報提供
・ホームページ等による子どもの心の問題やその支援に関する情報の提供
このように鳥取県では鳥取大学医学部附属病院との連携により、強力に児童の発達障害者支援を先進的に進めています。東京では進めきれていない分野について、病院との連携が入り、心ある優秀な専門家や医師たちとの連携で強力に構築されていました。そしてさらに、専門家たちによるアドバイスが適宜入り、更なる構築へと拡充している段階です。
現在、発達障害特性を持っているがゆえに2次障害も併発し社会や家庭生活が上手く保てずに児童虐待、引きこもり、ニート、DV、生活保護受給、自殺などに陥っている人たちがいる現状があります。それをいかに食い止めていくのか、担税力ある人材として自分の持てる能力を発揮し、誰もが傷つかない世の中を作っていくことができるのか、発達障害を知れば知るほど、当事者のライフステージを通じてその効果的な支援策を構築することが早急に望まれます。この支援が出来れば、これら成人期の方々が発している諸問題に対して、適切な支援ができ、多くの人たちが抱えている生きづらさや困り感を軽減させることが必ずできるはずです。
鳥取県では、成人期の発達障害者支援制度はまだ構築されていません。これは鳥取県に限らず、全国的にも成人期の発達障害者支援はまだまだ未知数で、整備が皆無の状況です。私はこの皆無と言ってもよい状況に対してどのように効果的な支援策を構築していくべきか、しっかりと考察し、発達障害を受容しない成人期まで達した当事者に対する気づきのアプローチの仕方やその当事者を支えている疲弊した家族の具体的な支援策の構築を足立区から強力に作っていきたいと思います。
発達障害当事者会イイトコサガシ冠地情さんと美んさんと一緒に記念撮影。
NPO和シネマ岡井さんと一緒に。
今日は自閉症カンファレンスの合間に鳥取大学地域学部 医学博士の小枝達也教授にお会いしてきました。
小枝達也先生はディスレクシアの研究では、国内で第一人者の方でもあります。
以前、筑波大学附属小学校のユニバーサルデザインの研究会で東京学芸大学 名誉教授の上野一彦先生からご紹介をいただきました。上野先生から「小枝先生は本物だから、あなたは会ってきなさい」とのお話をいただき、本日の面会に至りました。
このディスレクシアとは、知的な発達に遅れはないのに読み書きが著しく困難性を伴う学習障害LDの一つでもあります。ギリシャ語の困難…dys と読む…lexiaに由来します。脳の機能障害の一種です。会話能力は別段問題はなく知的発達は良好で努力もしているのに、学業不振が顕著であったりします。
2006年の学校教育法施行規則の改正により、ディスレクシアを含む学習障害や、注意欠陥・多動性障害などの発達障害の児童、生徒が支援教育の対象に含まれるようになり、文科省は通常学級で授業を受け、その障害に応じて特別な指導や支援を通級指導教室で受けられるようにしました。
文科省の調査では2002年の全国公立小中学校4万人を対象に調査を行った結果、知的障害はないものの読み書きに著しい困難性を伴う子どもが2.5%(約1千人)いるそうです。
鳥取県では、小枝先生が公立の小学1年生を調査したところ、700人中2.1%も該当したそうです。
このことが示しているように全国的にしっかりと調査をすれば、全国には小中学生に高校生を併せると35万人~50万人にその可能性を持っている子供たちがいるといわれています。
しかし全国的に数が多いであろうディスレクシアの子ども達に対する具体的な指導にはまだまだ至っていない現状があります。先ずは早期に手を打つことが重要で、治療レベルの話にもなると小枝先生はおっしゃっていました。
小学校3~4年生でスクリーニングをしていては遅いそうです。小学校1年の段階でスクリーニングをし、その個々の特性にあった指導や治療レベルまで持っていかなくてはいけない深刻な問題とのお話でした。小枝先生は、今、やっとひらがなでの研究が終わり、これから漢字や英語などのつまずきのあるディスレクシアについて研究を進められていくとのお話をいただきました。
先生の話によると、全ての子供達が小学1年生の段階で読み書きができているかを学校や家庭でしっかりと見極めることが重要とのことです。小枝先生はインターネットを使って、だれもが使用できるオンライン方式の音読指導方式プログラムを開発されています。
いかに早期に発見し、そのような特性を持った子供たちに早期支援を行うことができるか、重要な課題でもあります。足立区での取り組みに今後ご教示いただけるとのお話もいただいてきました。大変ありがたいことだと思います。
小枝先生からのご指導もいただきながら、私も足立区からディスレクシアという読み書きに困難を抱えている子供たちに対して、しっかりと手が差し伸べられる支援を構築していきたいと思います。
本日は貴重なお時間をいただき、学会で早稲田大学にお見えだった鳥取大学 教授 小枝達也先生からご教示いただき、大変勉強になりました(ちなみに小枝先生は鳥取県庁との連携も手掛けていらっしゃる実力者です。)。
小枝達也先生、今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申しあげます。
しっかりと勉強をしていきます!
本日も、筑波大学附属小学校で行われた第5回授業のユニバーサルデザイン研究会 全国大会に出席をしました。今日で2日目。今日は朝9時から16時まで、公開授業や協議会、東京学芸大学名誉教授 上野一彦先生からの基調講演もありました。
全国から1000名の教師が集まり、会場は満員で人で溢れていました。お話によると、来年はさらに1000人増やし、2000人規模の研究会を行いたいと考えているそうです。今回、定員オーバーで入れなかった方もいるそうです。
現在、通常学級の中に発達障害傾向の児童・生徒が6.5%います。
特別な支援を必要とする子供には合理的配慮が必要です。このような子供たちに対する学習上や生活上の困難さを改善・克服するための配慮として、例えば、適切なコミュニケーションの取り方の困難さだったり、言語発達の遅れや異なった意味の理解であったり、手順や方法に独特のこだわりがあるなど、学校生活内においての学習内容の取得の困難さを補完する指導が必要となります。
文科省の特別支援教育の在り方に関する特別委員会 合理的配慮等環境整備検討ワーキンググループでは、この合理的配慮について、「障害のある子供がほかの子供と平等に「教育を受ける権利」を享有・行使することを確保するために、学校の設置者及び学校が必要かつ適当な変更・調整を行うことであり、障害のある子供に対し、その状況に応じて、学校教育を受ける場合に個別に必要とされるもの」としています。
この合理的配慮の観点は、
・学習上または生活上の困難を改善・克服するための配慮
・学習内容の変更・調整
・情報・コミュニケーションおよび教材の配慮
・学習機会や体験の確保
・幼児童生徒、教職員、保護者、地域の理解啓発を図るための配慮
などが示されています。
この「合理的配慮」は、指導内容の焦点化や動作化、視覚化などを個別に取り入れることが重要とされています。また、指導の中でどのように特別支援教育の観点を導入していくのか。この2つの融合をうまく仕掛ける授業づくりが重要です。インクルーシブ教育※の構築の一役としてユニバーサルデザインの教育を導入することで、教科学習が高いレベルを維持したまま、どの子どもたちにも分かる・できる授業を提供することにつながっていきます。
※インクルーシブ教育…障害の有無によらず、誰もが地域の学校で学べる教育
教師は教材をそのまま扱うのではなく、教材に仕掛けを作ることで、何をどのように教えるかが大切であると桂先生はおっしゃられていました。
筑波大学附属小学校 桂聖先生が提案する「10のしかけ」は以下の通りです。
1順序を変える
2選択肢をつくる
3置き換える
4隠す
5加える
6限定する
7分類する
8図解する
9配置する
10仮定する
この仕掛けは、昨日の算数の模擬授業でも同様に行われていましたが、「隠す」「順番を変える」「置き換える」などを使って教科書の教材を教材化することで、子供達に「イメージしながら考える活動」に変化させていくことができます。子供達はこの仕掛けにより、ぐっと授業に集中し、面白さを感じているようで、全員参加の授業が見事に展開されていました。
このしかけに教師が取り組むことで、子供達がより関心をもって授業に参加するようになり、手を上げる、立ったり座ったりする、操作する、ペアで話す、書くなどを組合せたさまざまなバリエーションなどが生まれ、どの子供達も楽しむことができるようになります。
この「指導方法」と「授業展開」を教師が真剣に考え取り組むことこそが、子供達のわかる・できる授業につながっていくのではないでしょうか。
また、発達障害傾向を持つ子供に対する社会性(ソーシャルスキル)は大変重要で外せないポイントです。
では、この社会性(ソーシャルスキル)をどのように学校生活の中で教えていくのか?
子供達はこの楽しく前向きな環境で馴染んでいくそうです。前向きに楽しくなければ、子供たちの成功体験には全くつながっていきません。また、さらに、知的好奇心を加えた学問をする姿勢と正解であることへの理解とその正解を納得しながら到達する思考プロセスが重なることで、子供達の成功体験が育っていくそうです。
「発達障害の子供に対してのわかる授業を行うこと」は、結果として「どの子供達にも分かる・できる授業」へとつながっていきます。わからない・できないを正直に言い合える授業作りが大切です。そこでは、わかる・できる子供達に対するヒントにもつながります。
このユニバーサルデザインの教育の進め方は、特別支援教育だけに有利に働くものではないとはっきりと学識者が力説されていました。
以上のような観点からも、ユニバーサルデザインの教育が公教育の中でも行えるシステムを構築することが重要となってきます。それぞれの子供達の学びの特徴は個性の一部であり、その個性的な(例えば、発達障害)子供達を理解することはすべての子供達を大切にする指導に通じていきます。
「障害とは、理解と支援を必要とする個性である」
東京学芸大学名誉教授 上野一彦先生がおっしゃていました。
私も娘たち(中1と高1)の学校生活を通じて、親の目線からも様々な課題が現場で生じていることを、日々、感じています。
通常学級内において、指導を求める潜在的なニーズは明らかに高まっています。
通常学級の中で、その個人差による対応ができるサービスをどのように展開していくのか。
全ての子供たちにとって、合理的な配慮と基礎的な環境の整備が整う公教育を私も足立区から強力に築いていきたいと思います。
本日は、たくさんの気づきとアドバイスをいただいた基調講演・模擬授業だったと思います。今後も、さらに大学関係者の皆様とも直接お会いしながら、様々な角度からお話を伺い、足立区版の「ユニバーサルデザインの教育」の導入についてさらに詳しく検討を重ねていきたいと思います。
本日は、貴重なお話をお聞きすることができました。関係各所の皆様、お疲れ様でした。
今日は筑波大学附属小学校で行われた、第5回 授業のユニバーサルデザイン研究会 全国大会に参加をしてきました。テーマは「授業のユニバーサルデザイン研究の進め方~校内研修・授業研究」です。
今日の企画シンポジウムでは、日ごろからお世話になっている明星大学心理学の准教授 小貫悟先生もパネラーとして参加をされました。また日野市立第3小学校の校長や私が以前、視察をさせていただいた筑波大学附属小学校の桂聖先生(担当教科 国語)もシンポジウムのパネラーの一人です。
実は以前、筑波大学附属小学校の桂聖先生とは同校でお会いし、現場のユニバーサルデザインの取り組みについてお話を伺っています(大変実力のある先生です)。また、日野市の小・中学校では特別支援教育の視点を交えたユニバーサルデザインの教育がなされています。
今日はこのユニバーサルデザイン研究会に約1000名弱の教員が全国から集まりました。会場内は撮影禁止なので写真はありませんが、若い教師で埋め尽くされていました。またもちろん、筑波大学附属小学校の教員関係者も多々出席しているのが見受けられました。全国から同じ想いでいる教師が一堂に会し、このような場に集まり、現場で実践をしようと試みています。
この日は、筑波大学附属小学校に通う2年生方が模擬授業をしてくれました。まず教師が「今日は、何月何日かな?」「手を上げて~」から始まり、「手を上げない子も正直で立派でした。」との手を上げない子供に対しての優しい言葉がけもあり、授業の隅々まで、一人残らず子供を引き付ける・結びつける・方向付ける授業を見事に展開されました。内容は算数で、黒板にお手製の絵やドットを使用し、視覚化を用いた授業でした。ここで工夫をされているのは「ただ見せる」だけではなく「見たい」と思わせる「見せる演出」を行い、その絵柄を「神経衰弱ゲームのやり方」で隠し、子供たちの注意を引き付ける授業を行い、子供たちのモチベーションが高まる工夫をしていました。
このやり方は、子供たちの気持ちを同じ方向性に向かわせるために、子供たちが「え~そんなの無理」と言っている間にスタートラインを揃える手法です。授業中には、ペアで学習し話し合わせることで、一人で考えるよりも多くの情報を獲得できるよう「学びあう雰囲気づくり」を心がけています。また、わかる・わからない・できる・できないに正直になれるクラス作りを築いていました。
桂聖先生がおっしゃていました。
「教師は授業で勝負する」
勝負の相手はほかの教師ではなく、目の前にいる子供たちだと。授業のユニバーサルデザインとは、全員が楽しく「わかる・できる」ように、授業で子供と勝負することである。「国語が苦手なあの子に手を上げて発表してほしい」という願いを込めて指導を工夫する。それが結果として、ほかの子供たちに役立つこともある。しかし、一方でそれでもあの子の活動が停滞するかもしれない。その場合に個別指導も想定しておく。授業のユニバーサルデザインは、決まった手法があるわけではなく、楽しくて「わかる・できる」ために、教師が集団や個に対するオーダーメイドの工夫や配慮をする。それができなければ子供たちには「負け」である。
「子供は絶対変わる!」
「絶対教師は変わる!」
とおっしゃていました。日野市第3小学校の校長先生も同じことをおっしゃっていました。
「教師は授業研究で絶対に変わる!」
と力説されてました。
私の伯母も長年公立中学校の英語の教師を定年退職までしていました。仕事をされていた頃のことを聞いてみると、クラスの子供たちの学力は様々だけれども、どのようにしたらすべての子供たちが理解でき、わかる授業ができるのか、常に心を砕きながら自分なりの手法を見つけ出し、それを実践し、クラス全体の理解力が上がるようにいつも配慮していたそうです。
全国にいるどの学校の先生も、クラス全体が理解できる授業を常に心がけていると思います。
それが教師の意識として強化される仕組みを構築することが、今求められています。
通常学級の中には6.5%もの子供たちが発達障害傾向があると文科省は試算しています(発達障害の中には学習障害LDや自閉症スペクトラムや注意欠陥・多動性障害などがあります)。
発達障害がある子はもとより、すべての子供たちにとって優しい学習の環境づくりが重要です。
日野市や筑波大学附属小学校で心ある先生方で取り組みを進めているこのユニバーサルデザインの取り組みを、教科教育や特別支援教育の知見に学びながら、クラスにいる子供たち全員が活躍できる授業を展開する仕組みを全国規模で行う必要性・重要性を最も感じた研究会でした。
明日は朝の9時から16時まで筑波大学附属小学校であります。明日も朝から私はこの研究会に足を運び、しっかりと私自身も学び、足立区の教育に導入し、全ての子供たちが障害があるなしに関わらず自然に「わかる・できる授業」が身につく、そんな環境をつくれる土壌を構築していきたいと思います。
足立区の教育行政の皆様の協力が必要です。筑波大学附属小学校の桂聖先生曰く、足立区の教育行政に携わっている皆様に、「この研究会にぜひ足を運んでもらいたい」とおっしゃっていました。
私も足立区教育行政の担当者の皆様と力を合わせて、足立区の教育の質の向上に向け、全力を期したいと思います。