11月19日から2日間、民主党区議団で佐賀県に視察に行きました。
佐賀県と言えば、父の実家(本家)があるのでとても懐かしく感じます。中学生の頃までは毎年夏に遊びに行ってました(母の実家が神奈川県鎌倉市なので、毎年、夏は九州と鎌倉のコースでした)。
佐賀県庁に到着をし、名刺交換をさせて頂きましたが、その際に県庁の担当課の方から、ご縁がありますねと突然言われました。そこで、私の曽祖父
天本龍之助が、佐賀県三養基郡基山町長を30年務めました…とご挨拶をさせて頂きました(笑)。基山小学校の前に今も曾祖父の銅像が立っています。自分たちのルーツを知る勉強にもなるので、そろそろ子ども達を連れて行かないとと思っているところです。
さて今日は、佐賀県庁の「発達障がい者支援施策」の取り組みついて視察を行いました。
佐賀県庁では、現在、発達障がい支援施策について、全国的に先進的な取り組みを行っています。
県内の保健福祉圏域ごとの7か所に支援体制が整備されており、個人のライフステージに応じた一貫した支援策と発達障がい支援センターとの密な連携を行っています。
これは、県内のどこに住んでも生涯にわたるきめ細やかな、途切れの無い支援体制を実現するものです。
佐賀県では、1歳児半、3歳児健診で問診票を使用し、疑いありの乳幼児の保護者へ専門機関などを紹介しているそうです。平成17年度から試験的に実施し、平成21年度には全市町へ行っているそうです。
また、自閉症などのスクリーニングを行った際に、支援が必要な乳幼児の保護者へのカウンセリングを平成22年度から各市町で実施を始めています。
スクリーニングをする際の保健師への研修とスクリーニングの意義や実施方法等の習得も行っており、3時間の研修を2回実施し、県の保健福祉事務所の保健師なども受講しているそうです。
また、スクリーニングで支援が必要と判断された幼児に対しては、3か月を1クールとして、幼児1人につき1クール10回の療育指導をしているそうです。
さらに、発達障がいの子どもを持つ親に対しても、ペアレントメンターの意義やカウンセリング技術などについて、研修会を年4回実施しているそうです。
※ペアレントメンターとは聞きなれない言葉かと思いますが、発達障がい児(者)の子育て経験のある親で、その経験を活かし、子どもが発達障がいの診断を受けて間もない親などの相談・助言を行うものを言います。
就学前から高等学校卒業まで一貫した支援の充実のために、入学・進学に伴う各学校種間の情報の共有及び引継ぎを促進しています。
不登校、引きこもりなどの状況にある発達障がい児に対しても、生活支援、学習指導による在籍校復帰に向けた支援や、在籍校に支援した後も6か月のフォローアップも行っています。
大学生などに対しては、発達障がいの診断アリの方を対象に、一人につき1週間、1日約7時間のインターシップとして、県庁文書室や図書館などで作業をしてもらっているそうです。
この訓練だけでなく、生活習慣の形成、健康・金銭管理、医療・保健・福祉の各種サービス利用の指導・助言も行うそうです。
このように佐賀県庁では、幼少期にスクリーニングを行い、その子供や家族にとってより良い人生が歩めるよう、できるだけ早期に発見、早期療育ができるよう力を入れています。やはり、子どもの時代に発見されずに成人になってからの対応は難しいそうです。
発達障がいとは、相手の気持ちをうまく受け入れることができないなど、人との付き合いが上手にできない障がいであり、外見だけでは障がいがあるかどうかがわかりづらいとの話でした。それゆえ、人から勘違いをされることもあり、周りの人が、障がいのことをきちんと理解をする必要があるとの話でした。
周りが理解をし、助けていけば、本人も仕事を続けることができるそうです。
佐賀県としては、県が率先してこの施策を取り組むことで、県内関係者の療育支援の意識の底上げと支援体制の充実を図るとともに、就労支援としても他の官公庁や一般企業での取り組みを促すことができ、発達障がい者への理解につなげていくことができると考えているそうです。
今回の佐賀県庁の取り組みは、全国的にもまだまだ発達障がいの支援策が進んでいない中で、まさに先進的な取り組みを行っているものでした。今後は成人期にも発展した取り組みを期待したいと思います。今回、勉強をさせて頂いた佐賀県庁の取り組みを足立区にも導入し、さらに先を行く取り組みにつなげていきたいと思います。
本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき、大変勉強になりました。
ありがとうございました。